全体的に六郎の師である祖父の二世・実と父・先代六郎、そして観世寿夫といった先人たちに対する敬愛と憧れが強くにじみ出ているように感じます。特に二世実に関しては白洲正子さんによる聞書を何度も引用しての紹介を行っています。それら先人たちの「心」を受け継ぎたい、との六郎師の強い自負が込められているのでしょう。
私の目や耳に入る実際の六郎師の活動の中には、時々あれ?なんか的外れかな、と思えるものもないわけではありませんが、目新しさなどの時流に流されないで書名通り「まことの花」を咲かせていただきたいものです。