タイトルが間違い
★☆☆☆☆
オアシスもドゥービーズも、さらにはディープパープルすらも一切入れずに300枚選んでいるのだから、
これはもう著者の「僕の好きな音楽紹介エッセイ」というタイトルにすべき本です。
一般の人に向けのガイドブックとしては全くお勧めできません。
若い世代の人間でも理解しやすい
★★★★★
僕のようなロックをリアルタイムで聴くことの出来なかった若い世代の人間にも解りやすいと思います。
本書は普遍的な名盤は勿論、少し外れた物も扱ってるという印象を受けました。
例えば私の趣味の話ですが、私の愛する(パンク)ロックバンドTHE CLASH。
一般に彼らのベストアルバムは「LONDON CALLIG」と言われほぼすべてのベストアルバム集でもそちらが取り扱われています。
しかしこの本で扱われているのは次作の「サンディニスタ!!」でした。
このアルバムは一般ウケはしない聞き込むことでどんどんと良さが解ってくるアルバムだと私は素人なりに考えています。
つまりこの本は他の受け売りばかりの「ほんとに聴き込んでそう思ってるの?」と思わせる解説書とは違い、ロックへの深い関心と愛情を感じました。
また、バンドの性格等よりはアルバムの内容を詳しく解説してますのでアルバムを持っている方でも興味深く読めるかと。
逆に名盤のカタログとしては上手く機能しないかもしれません。
カタログとしては渋谷陽一さんの「ロック ベストアルバムセレクション」をお勧めします。
自分がロックを聞き始めたルーキー(今もですが・・)のころはずいぶんお世話になりました。
個人的には・・・?
★★★★☆
ビート〜R&B〜ブルース〜サイケについてのアイテムが無いに等しく、
スワンプ、サザンロック、ウェストコーストに関しての項目についても同様でした。
反面、〜パンク〜ニューウェイブに関連したアイテムは多くあり、
60s初頭〜70s半ばくらいまでのロックを掘り下げようとする者にとっては
あまり役に立つ内容の本ではありません。
ネット購入で内容が把握できなかったとはいえ、買う本を間違えてしまった感じです。
渋谷さんのといっしょに読んでます。
★★★★☆
本書のディスク選考基準は(本書P4より)、
・ビートルズ登場以降、60年代半ば以降のアルバム。
・2005年時点で鑑賞に堪えうるもので、原則CDで入手できるもの。
・原則1999年以前の作品。それ以降は評価が固まっていないから。
・表題作品100枚、参考作品200枚。
・1アーティスト原則1枚。よって300組弱。
だそうです。
相当数がメジャーかつ無難な作品で、“いわゆる”ロック入門ガイドとして良くできて
いると思います。一方、1〜2割はメジャーとはいえないですが、著者の思い入れが
色濃く出ていて、これまたベンキョウになる。
文体は、さすがライター講座で人に教えてらっしゃるだけあり、熱気がこもっている
と同時に、良く整理されていて、渋谷陽一さんよりうまいんじゃないかと思います。
ただ、“人生で一番好き!”的な最大賛辞が乱発されているのはご愛嬌でしょうか。
一方で、ジョンレノン、ヴェルヴェッツ、ニルヴァーナあたりでは一歩引いた冷静な
書き方をしていて、ただのロック好きのおっちゃん(失礼!)ではないなとも思わせます。
新書ですから誰もを完全に満足させることはできないでしょうけど、ともかく、
ロックが好きで、活字アレルギーがないのであれば、一読してまず損はないと思います。
なお、一点引っかかったのですが、著者いわく『フーズネクスト』にピンと来ない人は
「ロックに縁がない」らしいです。私はこの作品苦手なんで(『マイジェネレーション』は
好き)、ロックに縁がないんですね…。
若いリスナー向け
★★★☆☆
こういった名盤ガイドは通常ブルースあたりから取り上げて、
ロックの歴史に沿ってという体裁が多いのですが、この本のメインは
パンク/ニューウェーブです。
比較的最近の作品が多く紹介されているので、ロックのお勉強が目的
ではなく単純に聴いて楽しみたい方には良いのではないでしょうか?
ただし、ロックの全ジャンルに加えテクノ、ジャズまで紹介していますので、とっちらかった印象は否めません。