ストーリーに惹きつけられ、そして考えさせられる
★★★★★
Oxford Bookworms LibraryシリーズのStage 3(1,000語レベル)
語数 9,685 YL 3.2
フランケンシュタインといえば、おそらく誰もが耳にしたことが
あるだろう。何とも不気味な格好のモンスター。こんなイメージを
持っている人もいるのではないだろうか。もちろん、原作ではその
モンスターを作り出した人間がフランケンシュタインであるが。
本書は、その物語を1,000語程度のレベルの易しい英語でリトールド
したものである。
主人公・フランケンシュタインの興味と関心と研究の成果によって誕生
した人造人間は、実は心優しく、人間と同様愛情を求める性格であった。
しかしその外見から人間から恐れられ、憎悪を向けられる存在であること
に気付いた時には、すでに自らを造り出したフランケンシュタインに対して
の憎しみの気持ちが募っていた。
憎しみはますます膨れ上がり、フランケンシュタインを苦悩の底に沈める
ために、それまで温かい人間関係を築いていたフランケンシュタインの
周りの人間を次々と殺めていく。
本来は心温かい人造人間が「モンスター」に変わっていく心の変容からは
その背後にある人間の本質が垣間見えてしまう。
悲しいストーリーだが、引き込まれて読めてしまう本である。
原作より、かなり簡単です。
★★★★★
私の場合は、先に原作を読んで、後からこの本を読んだので、ちょっとちぐはぐですが、多読の世界で言うところの「パンダ読み」(自分よりレベルの低い教材を読む)をしたかったので、購入してみました。
原作は有名な作品ですが、読むのはなかなか難しく、初学者は手を出さない方がいいと思います。それに対し、こちらはかなり簡単です。ページ数も少なく、60ページ弱です。この本がレベル3としてはやさしいのか難しいのかは、わたしにはわかりません。私は2−3時間程度で、一気に読みました。名作を手軽に読むということでお勧めできますし、また、原作が難しいと感じたら、先にこちらを読んで、あらすじを抑えておくこともよいのではと思います。
感動!
★★★★★
ブックワーム、レベル3、語彙1000語、このレベルまで来た自分に感謝。
オックスフォード、ペンギン、ハイネマンのグレーデッドリーダーをすべて読破しましたが、この本が一番感動しました。日本語の小説でもこれほどの感動はなかなかありませんでした。
フランケンシュタインというと、まんが怪物くんのコミカルなフランケンのようなイメージ、ホラー映画のような単なる暴力と恐怖のイメージが蔓延していると思います。以前、BBC放送で見たこの作品の特集でも、行き過ぎた科学に対する警笛という評価でがっかりしたのを覚えています。
しかし僕の中でこの作品は「自ら望みもしないのに異形のものとして生み出され、苦難を背負わされながら、受け入れられようと望み、しかし願いかなわず、追い込まれてゆく者の悲劇」という位置づけです。優れた人間ドラマなのです。
このようなテーマで書かれた日本語小説の名作は少なからずあると思いますが、そのような作品と同列に論じても良い、名作だと思います。
不朽の名作。リライトでも十分楽しめます
★★★★★
英語も平易なので楽しんで読めます。一度は読んでみるべき不朽の名作です。もちろん、原作で読まれたらいいと思いますが、そのまえの小手調べとして、リライト版もいいですよ
クリスマスの奇跡
★★★★☆
ディケンズの「クリスマス・キャロル」を,英語学習者向けに,語彙を制限して(1000 headwords)易しい英語で書き直した本です.
ビジネス(=お金)にしか興味がなく,甥がクリスマスパーティに招待しようとしても「クリスマスなんかくだらない」と言うほど偏屈な,主人公の老人Scrooge.クリスマスイブの夜は,彼に奇跡を起こせるのか.
Scroogeが,自分の置かれた惨めな状況を見せつけられる場面が,印象的でした.中盤,場面が目まぐるしく変化するので,状況を把握し,ストーリーについていくのが少し難しいかも.
語彙レベルは1000.総語数は約9800.SSSの難易度レベルは3.