1巻に引き続き、安心のおもしろさ(かっこ笑い)
★★★★★
今回も、誰もが知っている物語を、視点を変えるとこうなってしまうのか、と思わず笑ってしまいました。
笑いも2巻は、ブラック・とぼけたシリアス・コミカル、と、いろんなユーモアが味わえて、おもしろかったです。
1巻では語り口が「ある所に…」と始まる西洋の物語でしたが、2巻では、中東、日本と、お国柄が設定されて
いて、それが、少なからず王子様座談会に反映されていて、そこもおもしろかったです。
1.「アラジンと不思議なランプ」の王子様
座談会でも言ってましたが、もともとアラジンは王子様ではなく、一国の姫を娶り、王子
になるまでの過程が描かれていました。
何でも叶う力=ランプの魔人を手に入れ、自らの野望を現実のものとするために、ありと
あらゆる策を講じるアラジンの姿は、宮野さんが演じられた、いつもノートを持っている
あのキャラを彷彿とさせられ、頭の回転が速く、邪魔なものは容赦なく排除し、すべてを
奪われてからの挽回も意のままで、でも、姫に対してはどこまでも甘く(計算なのかもし
れませんが;)、その腹黒さとのギャップも聴き所でした。
魔人とのやりとりもコミカルでおもしろかったです。
2.「竹取物語」の王子様
竹取物語に出てくる男たちと言えば、かぐや姫の無理難題に振り回される、5人の男たち
が、印象的ですが、この物語の主役は、最後に出てくる帝でした。
ストーリーの感想の前に、置鮎さんの雅な帝ボイスに惚れ惚れしちゃいました…
もうどこまでも上品でした・・・
自分の置かれている地位を重んじるばかり、かぐや姫の美しさにあたふたしちゃって、
悲恋に終わってしまう結末に、なんだか気の毒で笑っちゃいました。
3.「源氏物語」の王子様
笑っちゃって笑っちゃってしょうがなかったです。声をあげてゲラゲラではなくて、もう
いちいちおもしろくて、「ぶっ!!!」と、吹きっぱなしでした。原作「源氏物語」が
大好きな人は、作品が、破壊しつくされているので、聴かない方がいいかもしれません(笑)。
でも、光源氏って、時代考証を現代にして翻訳すると、こういう人物だったかも、と妙に
納得しちゃいました。自分がこの物語を知ったのは、古典の授業で、その時も、現代に生きる
者としては、当時の感覚がよくわからず、いいのかそれ(奥さんがいるのにいろんな女の
人をとっかえひっかえ、とか、嫌だったら、「不吉」の一言で押し通す)で、と授業中
思いましたが、そのモヤモヤ感を、見事にふっとばしてくれました。
女性のためならなりふり構わず、唯我独尊な主の従者となってしまった惟光の苦労人っぷりも、
笑いのひとつでした。
4.座談会
国が設定されている王子様たちの座談会は、お国柄の違いが表れて、おもしろかったです。
女性をとっかえひっかえする帝・光の住む国の文化に、頭をひねるアラジンに、帝はどうに
か体裁を保とうとするし、それをまぜっかえす光がいたりで、帝・光の住まう国に住む者と
して、やっぱり笑っちゃいました。
またやられた(笑)
★★★★★
まったくもってどいつもこいつも……またやられましたw
結構今回は大人しそうな内容かな、と思ってたら、みんな一癖二癖あるくせ者で、遺憾なくダメ男っぷりを発揮してます。ある意味、男の子らしいと言えば男の子なんだなって感じでかわいかったです。特にギャル男の源氏、この破壊力のまえに打ちのめされましたw
従者の竹本さんが全体の8割に出演しているという、影の主役っぷりは1巻に引き続き◎でした!!
バラエティ豊かなCD
★★★★★
第1巻が面白かったので購入。
アラジン、竹取物語は(笑)度は低めで、今回はしっとり系なのかと思いきや、最後の源氏物語でやってくれました。
光源氏がこういうキャラクターなのは賛否両論あると思いますが、こういうのも面白いなーと。
なにより吉野さんがギャル男を思いっきりやってくれているので、いっそすがすがしいです。
ストーリーのバラエティの豊かさは第1巻より上ではないかと。
新作も出るようなので、期待したいです。