分解、還元、という視点の発見。
★★★★★
単純にキノコが好きなのと、表紙が素敵なので興味本位で買ってみた本です。
表紙のみならず、中身のページが、非常にデザイン性が高いですね。
眺めるだけ、という楽しみも出来ます。
ただ、ちょっとグロい!と思うキノコも登場しますので注意です。
でもそんな見た目不思議なキノコが、
生態系の中でいかに重要な役割を果たしているか、ということについて
認識させられたのが、いちばんのこの本を読んでの収穫です。
私たちは人間の立場では、多くの場合、キノコを食用か毒があるのか、
という視点でしか見ていません。
けれど、食べられないキノコも、変なキノコも、大地に菌糸を張りつめ、
キノコにしか出来ない仕事をしているのです。
キノコは森林や山の奥、あるいは街の公園で、
菌糸を静かに大地の底にのばしながら、胞子を飛ばし、生殖を続けています。
そのことは、キノコにとって自分の生命、遺伝子を残すための行為です。
けれどその行為が、実は森林や山を育むことに一役どころか、重要な役割を
担っているらしいのです。
樹木が育ち、やがて枯れ、土に帰る、その工程において、
キノコの行う「分解」「還元」という作業は、他の生物には出来ない事なのです。
人間は生産、消費を繰り返し、その世界を拡大してきましたが、
誰も知らない森の中で奇妙なキノコがひっそりと、生きているから
森は呼吸を続け、地球は生きている。。。
キノコの偉大さに頭が下がりました。
全部読んだら、キノコというまさに摩訶不思議な存在がが愛おしく思えてきました。
『この奇なきのこ』
★★★★★
光合成により養分を産生しないため植物ではなく、また単体で完結した生き物ではない、
つまり他の生物と共生することで成り立っている。そんなキノコの世界を鮮やかな
写真とともに紹介した本です。
一見花のようにも見えるキノコや不思議な色・形をしたキノコの写真を集めた
「世界のビジュアルキノコ狩り」、近・現代博物誌に描かれたキノコ詳細図、また
キノコの世界に劣らず不思議な多様性を持った2名のキノコ研究者人物伝、そして
科学映画『きのこの世界』の映像と解説をもとに再編成した章も加えて構成されています。
近年は店先にも増えてきた食するキノコ類の話だけではなく、その生態など
学術的興味を惹く話題も一般人に分かりやすい話題が程よい分量で盛り込まれており、
キノコへの親しみが湧き、写真集という枠を超えた仕上がりとなっています。
この本と出会った喜び☆☆☆
★★★★★
本書は、キノコを深く愛する愛好家らが
INAXギャラリーで開催された『考えるキノコ展』と併せて出版したもの。
キノコの生態や、珍しいキノコの写真
日本やヨーロッパの博物学者が描いたキノコの図柄、
さらにはキノコの研究者まで?!!
そうしたキノコにまつわる全てを、ギュ〜〜ッと圧縮した本です
どのページをめくっても楽しい本ですが
なかでも、フルカラーで紹介されるキノコは、
1つ1つがとても変わっていて、
一日見ていても飽きないようなものばかり。
また、シェイクスピアやジョン・ケージまで引っ張り出してきて
キノコのすばらしさを語る文章はとても興味深く読みました
しかし、本書の一番のおススメポイント!!は
なんといっても、
作っている人たちの楽しそうな雰囲気が伝わる点
巻末に、大正時代のマツタケ狩りの様子を写した写真が掲載されているのですが
どの顔もとっても幸せそうで
思わず笑みがこぼれてしまいます。
そして、きっと本書の著者たちもこんな幸せそうな顔をしながら
キノコについて熱く語っているんだろうなと思うと
それだけで、この本に出合えたことが嬉しくなります
本当にすばらしい本です
ぜひ、身近においてお楽しみください☆☆