直木賞選評を読んで
★★★★☆
恥ずかしい話ですが、直木賞選評、初めて全部丁寧に読みました。芥川賞の方は毎回読むんですが。
ちょっと感激しました。芥川賞選評よりも、体温が高いというか…。
受賞のハードルをずいぶん高く設定しているんだなと、浅田次郎氏の選評で感じました。
自分の推した作品が受賞を逃がしても、なぜその作品を推したかふてくされないで
丁寧に語っている。逆に否定的な感想を持った作品も、どう駄目なのか、具体的で率直。なにより優しい。
芥川賞の選評はもっとあっさりしていて、悪く言えば、冷たい。
芥川賞は新人に対するものであるのに対して、直木賞は同じ文筆家業をしている同僚や後輩(ときに
ベテランの人もいるし)の作品を評するわけだから、選評も、作品というより書いた本人への親愛の情を感じさせるものがある。(個人的に親しいというのではなく)
次回からはちゃんと読んでみようという気になりました。