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世界宗教史〈1〉石器時代からエレウシスの密儀まで(上) (ちくま学芸文庫)

価格: ¥1,575
カテゴリ: 文庫
ブランド: 筑摩書房
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エリアーデ宗教史第一巻 ★★★★★
 宗教、ときくと、どうしてもある程度身構えたり、眉に唾をつけながら関わることが多いと思うのだが、世界的規模で作られたり再構成され続けた宗教の構造とその思考形態は、剥き出しの世界にさらされた人々がそれをどのように捉え、解釈し、秩序を与えて適応し、関わっていくのかという知的・精神的作業として、科学や哲学や芸術と同じぐらい高度で人間的な行為だ。と、読後に思わせてくれたのがこの「世界宗教史」(1)だった。全巻の巻末に原注、文献解題がついている。

 この巻では旧石器時代からいわゆる「旧約聖書」の土師時代までを取り扱っているが、動物・植物・鉱物にそれぞれ付与される神聖さ、今まで知っていたつもりでいたエジプト・メソポタミア・インダスの古代文明における宗教の形態、先行した宗教観念を一歩進めたヒッタイト・カナンでの宗教、それらを借用しながらも、以前とは異なる意味合いで一貫した世界観を打ち立てた「創世記」の記述、文章自体はそんなにも難解ではなく、それこそ宗教観念が「創造的変化」していく部分をとても解りやすく示してくれている。特に前から気になっていた、旧約聖書に何回も出てくる「バアル神」について、とても納得がいった。

 このシリーズはルーマニア生まれで、インド留学の後各国を巡り、アメリカに落ち着いた宗教学者・ミルチア・エリアーデという人が残した、ある意味特殊な立場から残された書だが、俎上にあげられた各宗教のいずれかに興味がある人にも、宗教という営為・現象・本質に興味がある人にも役立つ作品だと思う。この仕事のおかげで、この本を読んだ人全てがエリアーデが到達した場所からものを考えることが出来る。これも人間が残せるひとつの遺産だなあ、と、そんな感想も出てくる作品群です。
素晴らしい本 ★★★★★
20世紀最大の宗教学者ミルチア・エリアーデの畢生の大作『世界の信仰と宗教思想の歴史』の全訳シリーズである。正直言って最初読んだときはよく解らなかった。本書は文章が独特で、また専門用語が頻出するので、初学者には難しい本だと思う。達意という点では、あまり十分な訳文とは言えないかもしれない(訳は原文に忠実だが)。

ただ、今はこの本が稀有の天才によってものされた、人類の生み出した最も偉大な書物のグループに入る大作であることが判る。この本では各地域・年代別の人類の宗教的営為が叙述・分析されているが、著者の対象とするものは「特定の宗教現象」ではなく「人類の宗教的営為全体」である。特筆すべきは著者の類稀な総合力だ。各宗教を統一的な方向で分析・解釈することで、「ヒトとは何か」を深いレベルで追究している。本書は読者の力がつけばつくほど、その都度より大きな収穫をもたらしてくれる稀有な書である。また、この本を理解することはそれ自身宗教的とも言えるエリアーデの宗教現象学を理解することである。

完成を間近にして惜しむらくも未完に終わった作品だが、今後エリアーデ以上の才能が現れるまでは、まだかなりの時を待たねばならないだろう。
「世界宗教史」が廉価で! ★★★★★
ヒトが「人」として営みをはじめた時点からの、宗教という事象、その事象に伴って脈々たる歴史の流れを紐解いてゆく…、この本はこの壮大な人類の遺産を「宗教学者」としての目線で、また「歴史家」としての目線で書かれている。宗教史を勉強したいと思った方には、この本をお勧めします。

石器時代から現代までの宗教史を網羅した画期的な書物だと思います。しかしながら、彼の「作品」が、こんなに廉価で提供されているとは…。