従来の研究動向批判から環境問題まで
★★★☆☆
自由民主主義、社会選択理論、ポストモダン、市民社会、トランスナショナルデモクラシー、環境民主主義と幅広い論点から従来の理論動向を振り返り著者なりの審議民主主義像を描いています。しかし環境民主主義などのトピックについては、そのれまでの議論と比べ著者の希望的観測でしかないような印象を受けました。また著者自身が審議というものに対し過度の信頼を置くことへの理論的な説明が不十分でありました。 けれども、刺激的な論点(特に自由民主主義体制下での審議の取り扱いに関して)が多々あることも事実です。現行の民主主義論を考える上で一度読んでおいても良いのではと感じます。