冒頭の「ガーシュイン カクテル」は絶品です。これが聴きたくて購入しましたが、最高ですね。
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甘いメロディとゴージャスなハーモニー、ガーシュインが稀代のメロディメイカーなのは、最初数小節のピアノ伴奏を聴いただけで虜になるようなステキな音楽から伺えます。
田中靖人さんのアルト・サックスの甘く切ないフレージング、うっとりとするという表現はこの曲のためにあるようです。アルト・サックスは人間の声ですと、ちょうどその名の通り、アルトの声域ですので、魅力的なジャズ・バラードを聴いているような感じで聴くことができます。これだけ柔らかい音色で奏でられますと、心の奥底まで染み渡るような気がしてきます。いいですね。
リズミカルでスゥイング感溢れる編曲は、聴く者皆をワクワクさせるような切れ味を秘めています。サックスとピアノだけでこのように豊かな音楽が奏でることができるのは、奏者の技量と優れたアレンジによるのは間違いありませんが、ガーシュインの音楽の魅力によるのも大きいでしょうね。
サックスの田中靖人さんも、ピアノの白石光隆さんもとても定評のある音楽家ですし、編曲も原曲も良い訳ですから、言うことなしです。よいアルバムに巡り会えたと思っています。実演を聴きたくなりましたね。
「ガーシュイン カクテル」のタイトル通り、音楽で酔いしれる感じですね。
この音楽には、高層階のホテルのラウンジが一番似合いそうです。
田中さんの人柄がでているCDです
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ジョージ・ガーシュインの曲はさまざまな演奏家が趣向を凝らしてCD化していますが,この作品には,サックスによってまたひとあじ異なるものとなっています.「Gershwin Wind」では田中靖人さんの明るく,それでいて張り詰めすぎない様子が想像でき,ピリッと決めているところも多い曲です.個人的な意見ですが,このCDの一番の特徴は「Your Kindness」だと思いました.ガーシュインの曲から印象受けたフレーズもところどころあったのですが,優しさや憂いの中に強い意志や勇気を感じさせるまったく印象の違う曲でした.演奏されている田中さん・白石さんだけでなく作曲者の長生淳さんの気持ちも垣間見えた一曲でした.