DiVaの魔法ふたたび
★★★★★
ふつうの言葉しか使ってないのに、なんでこんなふうに聞こえるんだろう。
DiVaのうたは、単なる癒しではなくて、鈍くなった心が揺さぶられて、ほどかれていくような感じがする。
前の「そらをとぶ」よりも、耳に聞こえる詞の音はメロウになったけれど、入ってきた後の豊かな味わいは、まるで魔法だ。
なんだか自分まで豊かになった気がしてちょっと嬉しくなる。
そして、スローで歌われるラストの「鉄腕アトム」。歌詞もメロディもそのままなのに、何とも切ない。もう帰ってこないものへの、憐れみと思いやりが切ない。
月着陸をライブで見た世代の私には、テクノロジーへの素朴な信頼や、60s特有の何とかなるさ思考−もう使えないって分かっているのに、捨てられずに時々取り出してみるものたち−が思いやられて、涙があふれてしまった。