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徳川の夫人たち 下 朝日文庫 よ 1-2

価格: ¥1
カテゴリ: 文庫
ブランド: 朝日新聞出版
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あくまでも小説の中での姿 ★★★☆☆
お万の方(永光院)、享年88歳の生涯だったといわれています。

が、この本では、歴史的にお万の方の足跡が記録されている振袖火事の際、
本理院(御台所)とともに大奥から避難したところで終わっています。
物語としては、お万の死ではなく、そば付きの藤尾の死で幕引きされています。
その後のお万の方の生活は歴史的に記録がなく、解らないようですが・・・。

しかし、お万の方は徳川家、歴代の将軍の側室の中で、ただ一人、仕えた将軍の死後
「落飾しなくてよい」という特権(家光自身が遺言したといわれています)を与えられた女性です。
にもかかわらず、この本のお万は「すぐに落飾」。院号まで授かって、大奥の役職からも退いています。
第2の春日局として恐れられたとも言われるお万の方・・・少し違和感かな??

漢字が少し多めの文章ですが、読みにくさはなく、すらすら入ってくる感じでした。
また、近年余り使われないような言葉、言い回しもあり、日本語の美しさを感じることの出来る文体で、
物語としては充分過ぎるほどに楽しめる作品です。
日本の美 ★★★★★
本書を読んで、一番感じたことは日本女性の美しさ。それも人の行動や言葉に一々感動し涙するほどの心をもったすばらしい美しさ。本書はその美しさと聡明さを兼ね備えた三代将軍家光の傍妾であった永光院の生涯を描いた小説です。本書を読みながら思ったことは、このような女性が何故日本からいなくなったのかということです。日本女性といえば「アメリカの会社で働き、イギリス風の家に住み、中国人のコックを雇い、日本人の女性を妻にする。」ことが一番贅沢とされるほど世界でもおしとやかで奥ゆかしいとされていたほどで、日本文化の誇りでもあったはずなのにと・・・。
本書の内容に関しては、慶光院からお万の方、永光院へと移りゆくひとりの女性の生き方とその時代時代での考え方の変化を上手く小説化しており、大変面白く読みすすめることが出来ました。ただし終止永光院お万の方を賛美しすぎているので、最後の方では若干少女漫画チックになってしまっていることが気になります。
吉屋信子のお万の方一代記 ★★★★☆
 昭和41年に朝日新聞紙上に連載されていた頃から愛読していた吉屋信子の『徳川の夫人たち』。それが単行本となり、今再び文庫化されてお目見えしました。衆道好みの家光を女色に馴染ませる結果となった美貌の伊勢慶光院主・六条万子が、「お万の方」として江戸城大奥に入り、将軍の寵愛を受けるも子を生さず、春日局のあとを継いで大奥総取り締まりとなり、家光薨去後は幼い新将軍家綱の行儀作法指南役として出仕した顛末が、流麗な筆致で描かれています。明暦の大火(振り袖火事)と藤尾の死去、そして家綱の御台所として伏見宮家の姫が東下して来るところで話は終わっていますが、続編では家綱時代から幕末・維新に於ける江戸城明け渡しに至るまでの大奥の女人たちの様々な生き様が記されています。さほどなくテレビ・ドラマ化されて、お万の方を佐久間良子が、春日局を杉村春子が、御年寄り藤尾を岩崎加根子が好演していましたね。