先に読んでも良い続編。こんな本を待っていました!(=^o^=)/
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私は現役の図書館司書ということもあり、前作の「Dear,こげんた」は仕事上でも、また私人の立場でも人様に薦めるできる素晴らしい本なので、これまでにどれほどの方々にお薦めしてきたことか。しかし、実際に読んでくださった方は、こちらが期待していたよりも多くはありませんでした。
と申しますのも、「虐待」がテーマにある以上仕方のないことなのかも知れませんが、こちらが一所懸命に説明すればするほど相手に恐ろしい印象を持たれてしまい、敬遠されてしまうのですね。
だからこそ、私はこんな本の登場を心待ちにしておりました!悲惨な描写は少なく、気分的には前作よりもはるかに楽に読むことができるからです。ですので、今、私は続編である本作を先に読むことをお薦めしております。
とはいえ、もちろん内容的には充実したものです。それにつきましては、他の方々も書かれていますので省略しますが、前作はある意味勢いで書かれたような印象がありますが、本作は時間をかけて丁寧に書かれたことが読み取れます。前作の内容もある程度紹介されていますので、続編である本作を先に読んでも、理解の上でほとんど問題もありません。
最後に著者のmimiさんについてですが、これだけの素晴らしいお仕事をされてきたにもかかわらず実に謙虚な方です。今の世の中で活躍している人に英雄気取りがどれだけ多いことでしょう。「平成の坂本龍馬」とか「現代の織田信長」といった具合です(でも、はっきり言って大したことないのに大威張りしている人が多くてガッカリです)。そんな時代にあってmimiさんたちの謙虚さ、明るさがどれほどさわやかに感じられることか。
今の時代、一過性のブームに乗って活躍している人も多いですが、mimiさんたちのご活躍、そして、この2冊の本、前作の「Dear,こげんた」と本作・「君はぼくの声になる」はこれからも残っていくものであると信じております。これからもまた、どんなご活躍をされるのか、そしてまた、どんな素晴らしい本を出してくださるのか期待しております。
動物愛護法の改定。
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動物を虐待しても以前は器物損壊罪でした今はやっと変わりつつありますが。。。
この本は可哀想・・・という話だけでなく動物虐待をした犯人が次は子供や人に向けられることも
冷静に、事例やパーセンテージで書かれていていてこのような本を待っていましたという感じです。
この前、子猫を高い所から落とし殺す事件がありました。
沢山の方が見ているのでこれはかなりの奇怪な事件のはずです(見た人のPTSDも心配されます)
某県警は家宅捜索しましたが、書類送検で終わりです。
この本により指南いただき、今県警にメールしてみました。
これは小さな声かもしれないけど、これからも悲しんでばかりいないで訴えていきたいと元気をもらいました。
こげんた、あなたを忘れないからね!
易しく、深く、厳しく、手強い本
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Dear,こげんた―この子猫を知っていますか?
“こげんた事件”からもう七年の年月が経っている。
しかし風化していない。
いや、風化などあり得ない。
それを痛感させられた。
本書は前作『Dear,こげんた』の続編でありながら、続編ではない。
“こげんた事件”で小さくも重い命を無惨に奪われた事に対して悲しみ、憤った人達の新たな軌跡が丁寧に描かれているのだ。
だが、それだけではない。
今回は「何故、動物を虐待したのか?」
そこにも焦点を当てている。
虐待=悪の構図ではなく、虐待の根本を探っているのだ。
実際に虐待した人、虐待を目の当たりにした人からのアンケートが載っている。
また、そこから派生するDVとの関連性も載っている。
同時に、アメリカのシェルターやアニマルコップの話も盛り込まれているが、悲しいかな、先進国と言われる我が国の動物愛護の意識がどれだけ劣っているかを思い知らされる。
地域猫でさえ知られていない。
本書は、前作よりちょっとだけ難しい。
深々と考えさせられるからだ。
易しい言葉で書かれているが、非常に考えさせられる本。
辛く厳しい本でもある。
それが『君はぼくの声になる』だ。
とにかくぎっしりだ。全編丸々深い事この上ない。
なのに巻末に至ってまでも「貴方に出来る50の事」が載っている程だ。
でも、この「貴方に出来る50の事」は些細な事でしかない。
何も難しくない。とても些細で「こんな事でもいいのかな?」と思わされるが、それでいいのだ。
みんなで50項目のうち一つでも実践してくれれば、きっと世の中は変わる。
貴方の胸の中にこげんたが住み着いたのだとしたら、ちょっとだけでも何かを実践してみませんか?
こげんたの声が聞こえたならば、その声を貴方の声に変えてみませんか?
出来る事だけでいい。無理をしなくてもいい。身の丈にあった事をたった一つ実践するだけで、きっと世の中は変わるのだから。
多くの方の目に触れてほしい本
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5つの章からなる本書は、動物愛護というひとつのテーマを基に、
各章それぞれに様々な題材を扱っており、とても読み応えのある本でした。
こげんたちゃんの事件を始め、あまりに惨い虐待事件を耳にするたびに、
心がはり裂けそうな気持ちでいましたが、「虐待を止めるために」の章では、
そういった事件を起こしてしまう人間側の心理やおかれた環境についても触れられており、
根深い問題に心を痛めながらも、興味深く読ませていただきました。
被害に逢ってしまった動物たちを思うと、
どうしても虐待は許せないと強い怒りを感じてしまいがちですが、
実はそういった事件を起こしてしまう人々も大きな問題を抱えていたり、
何かのきっかけで心に闇をもっている・・
このような悲しい過ちを減らしていくためにはどうすればよいのか・・
本書を手に取った後、様々な思いが心をめぐります。
また、そのような重い課題についてもとてもわかりやすく書かれていましたので、
自分たちを取り巻く社会のとある一面について、
是非たくさんの方の目に触れ、考えていただきたいと切に願う気持ちになりました。
とても悲しい事件や重い課題に触れているにもかかわらず、
不思議と、本書を読みきった後には、「私にも何か出来るかもしれない!」という
大きな勇気とパワーが体全身に漲り、自分自身でも驚いています。
著者のmimiさんそしてこげんたちゃん始め、命を大切に思い、愛する人々のパワーが、
そのまま本にこめられているのかもしれませんね。
動物たちをとりまくさまざまな問題に直面し、
心に迷いができたり、つい弱気になってしまった時に都度手にし、
繰り返し読みたい本だなと思いました。
「真実は、そこにある。」
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私たちがこどもだった頃、日本は安全で秩序のある国だったと記憶しています。
困っている人が、おれば手をさしのべる。
勿論、人よりも弱い立場の小動物に対しても優しい気持ちで接することができました。
筆者は第1作に続き、より厳しい目でいつの間にか「人の痛みを感じない、小さな生き物を愛おしいと思えない」歪んでしまった社会について、その背景と現在を冷静に分析し、ただ可愛いだけではすまない、動物との関係、人間として何をすべきか・・・。
小学生でも、進んで動物の愛護に関してできること。家族でもう一度考えるべきこと。
自ら行動しない限り、モノ云えぬ・・・動物の窮状を知り、伝えることができないことを判り易く解説しています。
小さな動物に対する愛護の気持ち、迷うことがあれば良い解説書となります。