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怪談倶楽部 怨恨(えんこん) (竹書房文庫)

価格: ¥660
カテゴリ: 文庫
ブランド: 竹書房
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リアルな怖さ ★★★★★
著者による紙上怪談会の第2段。

今回も、リアルに怖い。

実際、本当に怪談会をしても、なかなかこれほどのレベルの話が
集まることはないだろう。
著者が厳選し、著者の筆で語り直すことで
現実よりもっと、リアルに
怖さが実感としてせまってくる。

さらに、
怪異そのものが持つ怖さだけでなく、
人間の底なしの深みが
覗き見えるような怖さが、ぞくぞくと背中を這い上ってくる。
本物の「怪談会」の雰囲気を味わいたい人は買いです。 ★★★★☆
平谷氏の本は不思議なテイストを持っている。長尺を読み進んで、これから盛り上がるのかと期待すると最
後はあっさり収束してしまう話しがあるかと思えば、短い文章にもかかわらずその後の展開を期待させる話
があったりする。なんと言うか、文章の長さに関係なく話のポテンシャルにばらつきがあるのだ。
しかし時々、分割された長尺の話などが期待通りに盛り上がっていって、思いもかけない方向に収束したり
する。これが面白くてつい平谷氏の本を買ってしまうのである。

このポテンシャルのばらつきは、まさに「体験談中心の怪談会」の雰囲気そのものである。作者自身が「作
りも入っていると思われる」怪談会から話を持ってきていると述べているが、おそらくその中から「本当の
体験談」と判断したものを集めて来ているのではなかろうか。
「体験談」は素人が印象に残った部分だけ語るものなので、内容は玉石混合。しかし、直接聴いていると「
これは本物だな」と思わせる何かを持っている話があるものだ。本書では作者がそういう話を選んで掲載し
ているのが伝わってくるし、その中から興味深い体験談を楽しめることが本書の魅力である。
しかしまた、聞き取り内容を文章に起こすプロセスで、作者に「これは本物だな」と思わせた「何か」が読者
に伝わりきらない話が入ってしまっているのが、本書(本シリーズ)の弱点であるように思う。ここが個人的
に、とてももったいないと思っているところなのだ。

ただ、この点を考慮しても、怪談会で本書のレベルの話がこの密度で語られることはあまり無いのも事実。
本物の「怪談会」の雰囲気を味わいたい人は買いです。
怪談倶楽部、再臨。 ★★★★★
全26話です。
ちなみに《怪談倶楽部》とは著者が在籍する、今からおよそ10年前に発足した怪談会らしい。会員の多くは岩手に住む人々だが例外もあり。
そこで語られるのは実話、伝聞、都市伝説、創作まで様々である。創作というのは話の真偽を探っていないため、その可能性があるもの、作者が「これは作ってるな」と疑っているもの、と大まかに分けてこの2種類である。
しかし、この本に収録されている話には、私的には「創作臭さ」は感じられないため実話である思っています。作者が創作だと思った話を進んで入れるとも思えませんし。ちょっと理由としては弱いかもしれないですが(笑)

前作は全体のおよそ1/4がひとつの建物にまつわる話で怪談に偏りがありましたが、今回は特に話のテーマにこだわらず収録されています。
あと、前作の『怪談倶楽部 廃墟』に収録されていた話に関わる話が幾つかあるので、前作も併せて読むことを強くお勧めします。

個人的にオススメは

ケンジロウの携帯か?
立入禁止の家
御利益
縫いぐるみ
《高楼館》側溝
組木細工
クイズ番組の電話
幽霊マンション

です。〈ケンジロウの携帯か?〉〈立入禁止の家〉〈クイズ番組の電話〉は、こういう話が大好きなのでとても楽しめました。
著者があとがきで書いていた〈ゆきじさま〉という話を知らないので、どんな話なのかすごく気になってます。