神話学的見地からみたケルト神話論
★★★☆☆
各地の神話をシリーズで紹介している本の一冊だが、ケルト神話をあつかった本書は、神話そのものを楽しみたい、ストーリーを楽しみたいという人には向かない。神話を紹介していると言うよりは著者の神話論を展開しているといった印象の本。
既にケルト神話について知っているといった向きにも、日本ではあまり知られていない記述があり、興味深いが、訳文が論文調である割には、原典典拠などが明らかにされておらず、不満がのこる。読みものとしても、論文としても中途半端な本だが、なんでもいいからとにかく手がかりが欲しい人にはいいかも知れない。