気鋭のピアニスト
★★★★★
ホライゾンズ(水平線)というタイトルが印象的なアンスネスのピアノ小品集(全22曲)。
選曲のコンセプトは彼がピアニストになる過程で練習した曲、敬愛するピアニスト(リパッティ、ミケランジェリ、ジョイス)へのオマージュ、ピアノという特性を生かした編曲作品というもの。
彼のピアニズムの特徴である自然な奏法と弾むようなリズムの流れ、音楽は清々しく暖かみを感じさせる素敵な演奏だ。
ショパン、リスト作品での闊達や情熱は申し分ないが、反面多少のロマンティシズムも欲しい気もする…
荒波の様を表現したスメタナの難曲「海にて」の見事な技巧、シャルル・トルネのシャンソン「街角にて」やドビュッシー「月の光」スコット「蓮の国」での洒落た味わいが特に印象的だった。