2005年前半のもっとも有望なCD、Gユニットの力を得たザ・ゲームのデビューが、バスケのアレン・アイバーソン言う“俺が答えだ”になるべく期待されているとしたら、そもそも、その答えの問いとは何だったのだろう。そう、司会者が50セントのカードファイルをめくって最高のプロデューサーたち（ディンバランド、ジャスト・ブレイズ、カニエ・ウェスト）を選んだ時から、失敗しようのない計画だったのではないだろうか？　この場合はそう言ってよさそうだ。

 「Westside Story」はゲームの領域がまだラップとって意味があると、リスナーたちに思い出させる機会となっている。ドクター・ドレーがプロデュースした「Higher」ではこう冷笑している。“俺はどんな色の車（インパラ）でももっている。俺はちょっとした有名人だ”。そう、彼もまた現在はリッチになり、並みの人間が1年間に稼ぐ以上の値段がする車を乗り回している。彼がBマイナスのリズムを撒き散らす人間でも、あまりにも録音に時間をかけすぎることも、関係ない。彼の50セントのような撃たれて、地下での抗争に巻き込まれている実生活の語りは内省的で、フェイス・エバンスとの荒々しい「Don't Need Your Love」では、さらに激しいようだ。半数以上が確実にヒット・シングルになりそうだ。カニエが手を入れた「Dreams」もその1曲。『The Documentary』にかなうアルバムはほとんどない。街ではゲームにしか作れない。（Dalton Higgins, Amazon.com）