Y字路
★★★★★
Y字路という横尾忠則さんの画集があったと思うのですが、
これはその元となった写真ということなのでしょうか?
それとも、画集とは別に撮りためてた写真ということなのか
Y字路というのは、単純なくせに、もの凄く示唆的というか
魅力的というか
どっちの道かに進むしかない
右の道はどうなるのだろう 左の道はどうなるのだろう
どちらかの道を選んだとして、反対側の道を選んだ場合のことは
もう二度と解らない
もどって反対側の道を辿り直したとしても、今度は、さっきの道はどこに
たどり着いたのか、それはわからないまま
選択が与えられている
選ばなければならない
結局、どっちを選んでも同じこと 何故なら、反対を選んだらどうなったのか
なんて永久にわからないのだから
だけれども、迷う
もの凄く簡単な、そして、まるで真実を含んでいるかのような、問いかけ
そう、問いかけてくる景色
悪いデジカメで撮ったのだろう、影の部分など、色が浮いているんだけども、
しかし、それも横尾さんのサイケデリック、なんて言葉でひとくくりにすると失礼だ
とは重々承知の上、あえて解りやすく、サイケデリック、な、魅力とも言える
大型カメラでバッツリ撮ったのとは違う
だって、Y字路の問いかけは、こっちに大型カメラを用意するような時間は与えて
くれないよね
横尾忠則の写真集?Y字路?いいですね。
★★★★☆
横尾忠則といえば、60、70年代のサイケデリックな作品のことしか知らなかったので、シンプルな街角の写真というのが意外な気がしました。これは円熟というものでしょうか?
Y字路の写真と言えば、角に特徴的なビルを配したニューヨークのものを思い浮かべてしまいました。最初は街角のY字路へのこだわりって何だろうと思いました。確かに遠近法で言う消失点(vanishing point)が二つあって、幾何学的に奥行きのある感じがします。
しばらく見ていて思いました。Y字路って、なんだか、人生の岐路みたいですね。「あの時・・・」なんてことは誰にもありますよね。逆に見ると、人生の出会いみたいなものを考えさせられます。
飽きない写真集です。