Mathematicaは記法や文法が洗練されていて、いろいろなことができます。その膨大な機能を150ページで解説しています。もう少し詳しい解説や例が知りたいと思いますが、内容は厳選されています（著者が執筆途上でなくなられたのが残念です）。初めて使う人でも本書の例題を逐次実行して行けば、自分自身で必要となった時にすぐに活用できるでしょう。リスト構造と関数型プログラミングになれるのが上達のコツです。第7章「動的実行」でManipulateコマンドの解説をしています（実は第4章の最初でフライング的に解説されているのですけど）。Manipulateを一度使ったら、それの虜になります。
本書で解説されていないことで、私が面白い思うのは画像処理機能です。また第2版にあったデータの読み書きの話題もないので、これらはヘルプ機能とWolfram Researchのホームページにある解説やデモンストレーションプロジェクトの実例をたくさん見ると良いでしょう。

Mathematica ver.7 に対応した入門書がないので改訂版を要望していました。コンパクトにまとまっているので入門書として是非薦めたい一冊です。また、はやわかりMathematica 第2版の10章から13章も参考になります。中級用としてMathematicaプログラミング(榊原訳)を推薦します。