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南極観測船ものがたり―白瀬探検隊から現在まで

価格: ¥2,100
カテゴリ: 単行本
ブランド: 成山堂書店
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しらせは砕氷艦 ★★★★☆
よく南極観測船と誤表記されるしらせなどの砕氷艦が砕氷艦として表記されている
点を評価したい。艦橋はあっても船橋はなく、艦長はいても船長はいない。
自衛隊の関与をひた隠しにし自衛官や自衛艦旗すら映さないマスコミから比べると
本書は高評価に値する。
探検から観測、そして環境保護、50年続く国家事業にささげる1冊 ★★★★★
1912(明治45)年1月、白瀬矗が同時期に南極点を目指したアムンゼンとスコットともに南極大陸に滞在し、1955(昭和30)年、戦後間もないわが国は先進国とともに南極観測を目指したそ。
そしてオゾンホールの発見など環境保護のために多くの人が南極での活動に従事している。
そんな国家事業を支えている存在の1つが「南極観測船」である。「宗谷」、「ふじ」、「しらせ」そして間もなくその任を継ぐコードネーム「17AGE」へその歴史を綴った初めて1冊です。
南極観測船は人々の夢を乗せていた ★★★★★
 南極観測船「宗谷」が氷の海に閉じ込められ、旧ソ連の砕氷船に助けられたニュースは、子供の頃の記憶に鮮明に残っている。ラジオや新聞で連日報道されたし、ニュース映像の記憶もあるということは、当時の映像メディアの主流であったニュース映画などで何度も観たせいなのだろう。
 その砕氷船の名前が「オビ」号だったことを、この本を読んで思い出し、非常になつかしかった。当時は、戦後復興に自信を得た日本人が様々な夢をかなえようと挑戦し始めた時代だったと思う。南極観測船や観測隊は、当時の人々の希望の象徴だったし、子供達の憧れだった。
 経済発展していく日本が、当時の科学技術の粋を集めて本格化させた南極観測や、その主役となった観測船のことが、この本を読むと非常によく分かる。
 また、この本を読んであらためて思うことは、白瀬探検隊から始まり、何と多くの日本人が南極調査のため、勇気や英知をもって、かつ、多大な苦労や努力を重ねて取り組んできたか、ということだ。
 人々に夢や希望を与えるとともに、愚直なほど純粋に科学的調査に取り組んできた日本人の姿に想いをはせることは、経済繁栄のなかで多くのものを失った今の我々に必要なことかもしれない。 
冒険小説のようなドキュメンタリー ★★★★★
南極観測船の初代「開南丸」から戦後の「宗谷」「ふじ」現役の「しらせ」、そして次期観測船「17AGB]の概要までを含むドキュメンタリーだ。
著者の情報収集力がすごい。新聞記事のような抑揚を押さえた文章でつづられているのだが、まるで冒険小説を読むみたいで、知らないうちに引き込まれている自分に気付く。
「・・・チャージングのため一旦後進した。続いて右推進器を前進第四強速に変えた直後、大きな衝撃が「ドーン」と艦を揺さぶった。続いて右推進軸の回転数が急上昇、主機の負荷がなくなった。ただちに主機を止めた。船尾をチェックしたところ、右推進翼が四枚全部、根本三十センチを残し完全に欠落していた。・・・」
1969~70年「ふじ」の第11次航海で、ビセット(氷に閉じこめられる)され、氷壁に体当たり(チャージング)して航路を確保しようとした時、右スクリューを失う事故にあう、その瞬間の描写だ。
略歴を見るとロイターの主席記者、フリーになってからは水産庁嘱託通訳として船に乗っている。もしかしたら、この本も一旦英語で書いて、それを自身で翻訳しているのかもしれない。そう思わせるほどの簡明かつ論理的な文体が現場の生の声をより鮮やかに描き出している。
読み終わると、たぶん、誰もが、南極大陸は環境、外交、経済、科学、・・・、一国の未来すべてにかかわる重要なことなのに、旧来の縦割り行政などで次期観測船の予算までけちるんじゃないよ、といった感想を抱くと思うが、それこそ著者が本当に言いたいことかもしれない。
本のカバーには次期観測船のCGが使われている。