永田絃次郎の荒城の月は知っていていい歌手だとは思ってた。まさかＣＤが出てるとは・・・あるブログで知った。
音質が悪いということで躊躇したが、選曲（収集）曲に目を見張った、胸の高まる収録曲。ネットで帰れソレントへ・軍歌を視聴してみたが、非常によい！・・・もう買うしかない！
　で、ざっと通して聞いてみたが期待以上によかった！
何しろどの曲もよい。すべてに心が通っている。淡々と歌ってるようだが、伝わる感動には熱いものがある。朗々と歌っているようだが、一種の儚さや侘びのような何かが残る。
曲は日本の唱歌・民謡から軍歌、故国に関する歌・イタリア民謡他世界の名曲・・・そのどれをとっても素晴らしいなんてのは、ちょっと信じられない気持ち。
　たしかに雑音は酷いものがある、が、直に引き込まれて大して気にならなくなる。勿論客観的に言えば音質面で減点評価すべきだろうが・・・全曲に渡る素晴らしい歌唱、そのの稀なるをもって満点評価とさせてもらった。
　北朝鮮に帰国ということで、日本に不満もあったのかな？といった印象もあったが、これを聞いて・・・それは祖国への思い故であり、日本のことも大切に思ってくれていたに違いないと感じた。
　帰国前に書かれた色紙の言葉、「永遠の友交　親善のために　共にかけよう虹の橋　平和の橋！・・・」の言葉は真実の気がした。
　余談だが、永田・・・と言えば、現代の永田峰雄もいい。その真摯な歌唱という点では共通していると思う。
　私のように「帰れソレントへは日本人の歌だ！」なんて思っている人なら、是非買うべき！（永田絃次郎は元在日さんなんですが・・・）

新聞の記事を読んで購入しました。
プロデューサの方の熱意と非常に詳しい解説が永田絃次郎の過去を知る上でとても参考になりました。
今でこそ韓流のブームもあって、在日韓国人タレント、アーティスト、文化人が活躍していますが、
戦時中や戦後はいろいろと歴史に翻弄され大変な人生だったことと思います。
他の方のレビューにもありましたが決して音質は良い物ではありません、
しかし私が九段下の昭和館の資料アーカイヴで聴いた時はもっと酷かったと思います。
ライナーノーツにもありましたが所属していたレコード会社にも音源がなかったらしく
苦労して集められたのだと思います。
また、Amazonだけでしか販売していないのも、たぶんCD店では全然扱ってもらえない内容
つまりCD店の仕入れ担当者などにはもはや全く理解できない作品だったのでしょぅ。
歌詞カードも一部割愛されていますが、やる気がないのではなくオリジナル歌詞がみつからなかったと推察されます。
私が聴いても聴き取れない箇所が多々あります（それほど録音状態はよくありません）。
国民歌謡の｢朝」なども必ずこの曲で学校の授業が始まったとの記事を読んだことがありますが、
この曲も永田が歌っていたようですね。
永田といえば「軍歌」と思っていましたが、イタリア民謡・日本民謡も録音されていたのも驚きでした。

CDが売れなくなって久しく、渋谷のHMVも閉店という寂しいニュースを聞く中で、このような採算度外視というか歴史的な価値のある作品を世に出そうとする熱意を私は高く評価したいと思います。
観賞作品ではありませんが、アーカイヴ作品として歴史に想いを馳せることができ、じわりと目頭が熱くなる作品です。

全体にわたって、ノイズ低減処理によると思われる、不快なキュリキュリ音が。
聞くに耐えない。
大正期以前の轟音ノイズ喇叭吹き込みの方がまだマシです。

手持ちの同テイク（と思われる）復刻音源と比べて、再生時間も違いますし、音程も違って聞こえます。
再生速度の問題でしょうね。
それとも、移調した別テイクとか？　まさかね。
まあ、ＳＰ盤なんて持っていませんし、どちらが正しいかは知りませんが、が、が……。

歌詞カードすら割愛していたりと、全くやる気が感じられません。

評価できる点は……。
写真等の資料と朝日ニュース音源の抜粋ですかね。

まあ、他にはない復刻も多いですし、
コレクションとしてはいいんじゃないでしょうか。
音楽を求めちゃ駄目です。

永田絃次郎の名は、オムニバスＣＤで見かけたり、聞いたりするだけで、朝鮮の人であった事や詳しい事は分からなかったのですが、歌手の小畑実が永田絃次郎の歌に憧れて、歌手への道に進んだと知ったので、改めて永田絃次郎の歌を聴きたいと思い購入しました。すごく良かったです。とても貴重なＣＤになると思います。