iPhone“以前”を知るために
★★★☆☆
電車に乗ると二種類の「ピコピコ」をする若者を見ない日はもうなくなった。
一つはPSPなどのケータイゲーム。そしてもう一種類が、本書のテーマ
であるケータイ電話だ。彼ら彼女らはケータイをイジっていったい何をして
いるのか。その一つがおそらく、タイトルにあるモバゲータウンだ。
本書は体裁こそモバゲーの紹介をする内容であるが、それだけではない。
モバゲーはあくまで「具体例」であり、本書が伝えようとしているのはむし
ろ、以前まで低調であったケータイ業界の活況の「理由」だ。ケータイ業界
の人間や現役のケータイユーザーへの取材だけでなく、統計やデータも
盛んに載せてその謎を解こうとしている。
本書を読むと、モバゲータウンの流行した理由は二種類に分けられると思う。
それは、パケット定額制や検索エンジンの搭載、さらにコンテンツプロバイダー
との共闘などキャリアー側の提供するサービスや戦略の変化といったモバゲー
にとっての外因的要因と、モバGなどの人を呼び込むためにモバゲーの運営
会社のDeNAが考え出したサービスといった内因的要因だ。高校生など、情
報リテラシーがあまり高くないユーザーが安全に遊べるようなシステムの
諸々を知ると、おぉなるほどと唸らされる。。
しかし、ご存じの通りこの後にアップル発のiPhoneをソフトバンクが販売し、
既存のリンゴ信者や国内のケータイを「ガラゲー(笑)」と嘲笑するギークと
呼ばれるガジェットオタクたち(著者は見落としているが、ケータイをあまり
よく思っていないのは今では「オジサン」というよりむしろギークの人たちだ)
のハートを掴み、一代ムーブメントを築いている。そのように日本のケータイ
業界はその変化のスピードを止めることなく、今も変わり続けている。
だから、本書「だけ」でケータイ業界を押さえたことにはならないが、少なく
ともiPhoneショック“以前”をとらえるならば、過不足なくまとまっている良
書だと思う。
いまさらのレビューにはなってしまいますが・・・。
★★★☆☆
若者達に大人気のモバゲータウン、どんなもんかと思いこの本を読んでみました。
サブタイトルは「オジサンにはわからない、ケータイ・コンテンツ成功の秘けつ」。確かにおじさんたちでモバゲータウンを使ってる人を余り聞いたことが無いです。オジサンたちは、大人になってからケータイを持ち始めたし、大人になってからPCでインターネット。ケータイで使うサイトは公式サイトが多かったかも。だから、モバゲーがよくわからんのです。
モバゲーの"ゲー"は、ゲーム。でもゲーム配信はこのサイトのきっかけであって、モバゲーの一部でしかないとのこと。無料ゲームのほか、SNSやオークション、その他いろんなコンテンツを含め、モバゲーだそうです。モバゲーはケータイの世界の中で産まれ、PCに流れることなくひたすらケータイで使われることを想定して大きくなってきました。おきっぱなしのPCではなくて、持ち歩くケータイだからこそ親密なコミュニティが作られ、それが若者にうけたそうで。PCの世界では考えられないくらい親密なやり取りがやられてるみたいです。
あと、キャリア公式サイトと勝手サイトについても説明がありました。公式じゃないとできないこと、勝手じゃないとできないこと、いろいろ書いてあります。もう"公式が必ず強い"時代は終わったんですね。
そんなモバゲーも、ケータイ各社のWEBフィルタリングでは出会い系扱いになってしまい、フィルタリングに引っかかってしまいます。確かに危険がゼロではないけど、フィルタリングでアウトになるのもどうかと思ってしまうかも。。。
携帯サイト未経験者の方向け
★☆☆☆☆
モバゲーと言うサイトがどれほど優れたサイトであるのかを、モバゲーの会社の人からのインタビューで書き綴られた、モバゲーサイトの言いなりの情けない本。
具体的には、これからは携帯の時代になることをグラフで予想している。そして、携帯でサイトを見る時代になることを予想している。
しかし、そんな予想はなくても、この本が出たときにはもちろん携帯の時代だったし、携帯でサイト接続もしていた。
ほとんど出てこないモバゲーの話しも、この著者のモバゲーサイトを活用している人間ではないので、モバゲーについてはほとんど何も分かっていないようだ。
ただ、賛辞するだけで、モバゲーの活用法とか問題点など具体的な事は何も書いてはありません。
この著者が言う「オジサン」と言うのは、携帯を所有していない人間の事を指しているのだと思います。
2億台以上普及している携帯を持っていない人向けに書かれているので、普通に携帯を持っている人には知っているか、当然、予想のつくような話ししかない。
私は最後までしっかり読むのが癖なので、最後には何かが書かれているのかと思いつつ最後まで読んで、時間と労力と端金を浪費してしまいました。
この本が出てすぐに買って読みましたが、ひどいレビューになりそうなので、冷静になってから書こうと想い、他の方のレビューなどを読みながら、しばらく時間をおいたのですが、評価は変わりませんでした。
PC版サービスのケータイ版作ってませんか?
★★★★☆
モバゲータウンとDeNAの話が中心で、モバゲーやモバオクの説明が多くされているが、
本書を読んで一番印象に残るのは、何度も何度も説明されているPCとケータイのユーザーの違いだ。
仕事でPCを中心に使っていると、中高生など、ケータイをメインツールとして
Webサービスを楽しんでいるユーザーの行動や雰囲気はなかなかわからない。
この本では、DeNAのサービスがなぜ成功したのかを、サービスの特徴とケータイユーザーの
特性の両方を分かりやすく説明している。
ケータイユーザーというものを実感として理解することができる。
内容が上手く搾られていない・・
★★★☆☆
「すごい理由」が上手くまとめられていないように思えます。
モバゲー経験者なら理解ができるのですが、モバゲーを全く知らない人、弄ったことがない人は「?」って思われる内容に思えます。