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グスコーブドリの伝記―猫の事務所・どんぐりと山猫 (ますむら・ひろし賢治シリーズ)

価格: ¥550
カテゴリ: 文庫
ブランド: 扶桑社
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猫の優しさ ★★★★★
グスコーブドリの伝記は、たぶん宮沢賢治の作品の中でも私が一番好きな作品。
幼いころ、飢饉に合い、家族が離散したブドリ少年が苦学して農業技師となり
故郷イーハトーブの食料生産に携わる。
その短くも充実した人生、そして故郷の皆を救う為の命を捨てた作戦。

本編は、本当に面白いけど辛いんですよ。
妹が目の前で攫われてしまうくだり、苦労して耕した沼畑(田んぼ)の
オリザ=稲が実らなかったり・・・。
生身の人間のキャラクターだったら生々しくて正視に堪えられなかったかもしれない。
けれど、キャラクターを猫に置き換えた絵のおかげで「ひとつの童話」として読める。
オブラートな猫の優しさが話の現実の生々しさを押さえ、
逆にこのお話の語りたかった主題が浮かび上がってくる。

猫の事務所の人間関係も教訓話としては凄みのあるお話。
これを原作の時点で人間を猫に置き換え、優しく説いた賢治はなんと優しい人であったろうか・・・。

いい漫画です、はい。
賢治には"ますむらひろし"の描画が良く似合う ★★★★★
「ますむらひろし、宮沢賢治を描く」シリーズ第3段。今回の対象は「グスコーブドリの伝記」。ブドリは賢治自身を投影したもので、自らの事ではなく、貧しい農民の事を考え研究に努め、最後は究極の自己犠牲に至る姿を、ますむらは「アタゴール」の住人の姿(猫)を借りて、牧歌的で感動的な物語に仕上げている。

飢饉で苦しむ東北の農民達。そんな苦しみを救うため、農業・科学の研究に努め事態を改善しようとするブドリ。賢治の特徴でもあるが、ブドリも実践を大事にする。そんな努力が実を結びつつある所へ、運命のイタズラで火山の爆発場所を変えるためにブドリは究極の自己犠牲の行動を取る。賢治の実践を伴った自己献身の姿が、ますむらのファンタジー溢れる描画と相まって、読むものに深い感動を与える。

同時収録の「猫の事務所」における狭い人間関係の中での人の身勝手な思惑への風刺、「どんぐりと山猫」の賢治らしい童話における、トボケタどんぐりや颯爽としていながら何処かオカシイ山猫の様子、そして本当の意味が謎に包まれた全体構成がますむらの絵とベスト・マッチで一風変った味わいを与えてくれる。

賢治の作品の登場人物を猫にする違和感は全く無く、逆にこうする事によって賢治のファンタジーとますむらのファンタジーが相乗効果をあげて、本作を幻想的でありながら感動的なものにしている。子供から大人に至るまで読んで欲しい、楽しみながら深い感動が味わえる傑作。
勤勉な猫の童話。 ★★★☆☆
私もこの本を読んだきっかけがプラネテスの話の中で出てきて、どんなものかと思ったからです。
人生に困難は付物ですが、グスコーブドリの人生も例外にもれず厳しさの連続のようでした。
ただ、凡人と違うところはそこで頓挫せず、強く前に進む道を選び続けたというところです。
どこまでも建設的な人生を送り、そして最後は自分の身を犠牲にして街のみんなを救った。
そこで話は終わってますが、とても切ない気持ちでいっぱいになっちゃいました。ほんと切ないです。
私をこんな切ない気持ちにさせたので星ひとつ減らして3つです。(泣
優しすぎる主人公に涙がでてしまう ★★★★☆
「グスコーブドリの伝記」は、幼い頃両親と妹と別れてしまった主人公ブドリの一生が記されています。辛い日々と努力を重ねて大人になったブドリは妹と再会。しかし、そこに危機が訪れます。ブドリは最愛の妹と世界の人を救うため命を賭けた大仕事に向かいますが・・・。

同じく収録されている「猫の事務所」。事務所の中で人一倍頭がよくて誠実な「かま猫君」は、「かま猫種」であるためにみんなからバカにされています。仕事のできない、誠実でない「みんな」はなぜか結託して「かま猫君」を陥れます。
誠実な善人が排斥され、悪人が世にはびこる図が描かれています。

私たちの職場や生活の中でも、このような図はよく見られます。何ともいえぬ悔しさとやるせなさ、世の中の不条理な一面。思わずあなたも、「かま猫君」を応援したくなるはずです。
そして、このやさしい「かま猫君」は毎日残業に追われ、不満を抑えながら勤めるサラリーマン、一生懸命、家族のために働いているあなたの優しいおとうさんの姿かもしれません。

『猫の事務所』が一押し。 ★★★★★
超短編で傑作なのが『猫の事務所』。でも意外に知られていない。
『風の又三郎』と『銀河鉄道の夜』と『雨ニモマケズ』ほど有名ではないけど、『猫の事務所』、宮沢賢治の優しさとピュアさが結晶しています。人間の偏見社会と見栄社会を見事に風刺した、でも、泣ける作品です。10分で読めるから、できるだけたくさんの人に読んでほしい。