29.6 x 22.8ｃｍという大判のサイズということもあり、原寸大で写しだされる京都の有名な仏像の数々が細部までしっかりと目の当たりにできるという優れ物のムックです。

本書掲載の多くの仏様を拝観してきました。当然のことながら拝観できる位置と仏像との距離は結構ありますので、拝観時にイメージはつかめても細部の彫刻の素晴らしさや残っている色彩、金箔などはよく分からないままでした。
本書の原寸大というアイデアは迫力の点は当然として、細部の工夫や美しさを知る機会を得たという感じですね。

収録されている仏様も京都を代表するものばかりです。
日本史の教科書でも掲載されている六波羅蜜寺の空也上人像も12ページにわたって紹介されています。実際お寺で拝観した時には分からなかった後ろ姿までクリアに写しだされていますので、大好きな仏像を堪能できることでしょう。
永観堂のみかえり阿弥陀のように小柄な仏像で遠くに安置されているものほど納得できる編集でした。

取り上げられている仏像を下記に記しますので、ご参考にしてください。ほとんどが国宝です。大切な文化財の魅力の再確認という意味でも良い企画でと評価します。
東寺（不動明王と立体曼荼羅、兜跋毘沙門天）、三十三間堂（千手観音と風神・雷神）、清水寺（十一面千手観音　本尊前立）、六波羅蜜寺（空也上人像）、永観堂（みかえり阿弥陀）、清凉寺（釈迦如来）、仁和寺（阿弥陀三尊）、神護寺（薬師如来）、鞍馬寺（毘沙門天）、三千院（阿弥陀三尊）、醍醐寺（薬師如来）、平等院（阿弥陀如来）、蟹満寺（釈迦如来）、観音寺（十一面観音）、浄瑠璃寺（吉祥天）、宝菩提院願徳寺（如意輪観音）。