塁崎隆夫（るった）×宮城こだま

不良高校生、るったのルームメイトになったこだま。
るったは怖い存在として学校では認識されているけれど、そんなことを知らぬ転校生のこだまは友達として偏見なく接していた。
ある日、るったはこだまに突然告白されてしまい……。

出会いから告白までは短くて、つき合い始めてからの話がメイン。だから、ラブラブを堪能できて嬉しい♪それに、２人とも恋にウジウジしないで相手に真っ直ぐ向き合っていくので、読んでいて爽やかで微笑ましいよ。

キャラについて言うと、
攻めのるったは普段はクールなのに、こだまの言動に思わず顔を赤らめたり、こだまにだけ甘くなってしまうツンデレ不良。うぅ、カワイイ♪そして、いつも目つきが悪いるったの、ふと見せる優しい笑みがくせもの！こんな笑顔を見られるのは自分だけ？ってな気分にさせられる。もちろんカッコイイところもあるし、そんなるったに惚れ惚れ。
受けのこだまは素直で前向きな、人好きのするタイプ。上目遣いがチャームポイント☆

とにかくキャラは２人とも大好きだし、ラブラブな雰囲気には癒されるし、話のテンポもよくて、萌える一方で萎える要素がなかったのが評価が高い理由。
コマの使い方とかセリフは少女マンガっぽいし、誰にでも読みやすいと思う。
ただ、ライトなお話なので、シリアスや切なさを求める人にはちと足りないかも。

藤谷陽子さんの作品は、正直商業誌よりもリボーンなどの
パロディ同人誌の方が好きで、実際キャラやストーリーのパワーも
そちらが格段に上だと感じますが、この一冊は個人的に待望でした。
何故なら、藤谷さんの同人誌で一番好きなスクアーロ×ツナ
に限りなく近いキャラクターの個性と存在感で描かれていたからです。

少女のような転入生こだまは、学園内で喧嘩最強と恐れられる
塁崎隆夫と同部屋に。彼を間違って「るった」と呼んだことから、
こだまを中心に、隆夫「るった」の学園生活が鮮やかに変貌する。
自分を恐れないこだまに告白するるった。戸惑いながらも前向きに
彼を受け入れようとするこだま。

2人の対照的ながら常に一途で真摯な生き方が良い。爽やか学園BL
でかなりワンパターンながらも、藤谷作品独特の不思議な優しさや
緩く引き込む魅力で、男同士をナチュラルに応援する女生徒も違和感なし。
続編に続くらしいので、キャラに萌えられる人には楽しみなシリーズになるはず。
ただ良くも悪くもCIELコミックスなので、本当に淡いさらりとした読後感。
深いドラマや胸焦がす展開には期待しないで、ただ癒されるべし♪

後半1/3はヤンキー同士の「男」の不器用な恋を描いたストーリー。
こちらは好みが分かれるかも。関西弁の攻受に感情移入可能なら大丈夫…
出来ないとちょっと苦しいかも。受けの虎雄がるったに外見似ているのも
混乱してしまう。「るったとこだま」丸々一冊にして欲しかった。