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ジョルジュ・ド・ラ・トゥール―再発見された神秘の画家 (「知の再発見」双書 (121))

価格: ¥1,680
カテゴリ: 単行本
ブランド: 創元社
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知られていないジョルジュ・ド・ラ・トゥールの生涯とその作品について ★★★★☆
美術好き、絵画好きですが、ラ・トゥールという名前を聞いても全く知りませんでした。表紙に素晴らしい絵が書いてあったので手に取り、読み進める内にその作品、業績、生涯を知ることになりました。

読書の楽しみというのは未知なるものとの遭遇です。新しい発見をするたびに読書の喜びを感じます。本書もその意味において嬉しい出会いでした。

興味をひかれた表紙の絵とは、彼の「聖ヨセフの夢」というものでした。薄暗い蝋燭の炎に映し出された少女とヨセフしか描かれていません。炎は少女の腕で隠され、そこからの光が美しい少女の横顔を照らし出しています。一方の居眠りをしているヨセフは、ほとんど逆光の薄明かりに顔の輪郭が浮かび上がっています。
光と影の扱いから、最初はレンブラントの作品かと思いましたが、少女の表情の優しさから別の画家の手によるものだと思いました。

美術史家にとって当たり前のことでも、一般人は本を読むことで少しずつ知識を広げていきます。光、特に闇に浮かぶ松明や蝋燭の光の取り入れ方は抜群ですね。主題をくっきりと浮かび上がらせる手法は、宗教画においては有効ですし、世俗的な絵画でも心理描写に優れたものを残します。

本書は、そんなラ・トゥールの数少ない作品を丹念においながら、真筆とコピーの両方を提示しながら、それぞれの作品の比較を試みてその違いを明らかにしてくれました。
17世紀前半のフランスというバロック絵画の花開いた時、ルイ13世の寵愛を受けた画家が忘れ去られ、20世紀においてまた再発見されていく過程も読み応えのあるところでした。美術好きには応えられない1冊となるでしょう。
もっと早くに鑑賞したかった ★★★★★
何度も訪仏していますが美術館を訪れるたびにもっと芸術の知識があれと残念になる。でも、これさえ読んでいればもっと素敵な美術館鑑賞ができること間違いなし。パリのオランジュ、ルーブルにもう一度言ってみたいですね。マグダラのマリアやヨセフの絵画が素敵です。
ラトゥールの光の出し方は素晴らしい。
大工の聖ヨセフに描かれたろうそくの光に照らされたイエスの顔はとても美しいです。
ラ・トゥール本の決定版 ★★★★★
今春東京で開催される展覧会に合わせて刊行された本書は、まさにラ・トゥールという画家について知る決定版というべきものだろう。本書の最大の特徴は、序文にもあるとおり、画家の生涯や図像学的な視点から語るのではなく、「再発見の歴史」という一貫した観点で記述されていることだ。この点においてまさに類を見ない。2世紀半もの長きに渡って忘れられていたこの神秘の画家が、どのように発見されていったのか。再発見の苦悩や喜びのエピソードに満ちた本書を読むと、ラ・トゥール再発見の歴史、それはまた画家を取り巻く人たちの人間ドラマでもあるとわかるだろう。