このグループは適度な洒落っ気と泥臭さ、それにブルージーさが程よくミッックスされ、しかも、同じレーベルのドリフターズをはじめとするDoo-Wapヴォーカルグループよりずっとファンキーです。
有名な曲、聞いたことのある曲のオンパレードですが、コースターズを聞いてみたい方には、価格も内容も手頃で最適です。そして、もし、彼らの音楽が気に入ったなら黒人音楽の楽園に入っていかれては、いかがでしょうか。

　もうひとつ入手しやすいTHE ULTIMATE COASTERSよりは曲が少なくて曲ごとのメンバー構成やミュージシャンのクレジットがないのですが、コースターズの全盛期のメンバーの写真と作曲チームのリーバー＝ストーラーの曲ごとのコメントがのったライナーノーツが入っています。本当はこのTHE VERY BEST OFとTHE ULTIMATEを両方足したCDが出ていれば尚のことよいのですけれども、時々見かける再録音のベストに比べると全盛期のアトランティック時代の録音の方がコースターズ自身の勢いもミュージシャンの腕も雰囲気も素晴らしいのでおすすめです。ロビンス時代のSmokey Joe's Cafeの大人向けの歌詞に比べるとYakety YakやCharlie Brownなどは子ども向けでドタバタしていますが良く出来ていて、特に最後のShoppin' for Clothesのテナーとベースの会話のやり取りとパーカッション、ホーンとキング・カーティスのサックスはこれ以上ないくらいカッコよい出来映えで、ただのノベルティと侮れない魅力があります。