「エイリアン京洛異妖編」は、修学旅行で訪れた京都を舞台に、昼はクラスメートと観光を満喫し、夜は単独でお宝探しに走り、結局古都を揺るがす大事件に遭遇する話。文庫本版では、ついに物語に登場した「外谷さん」を天野喜孝が描いていて、強烈なインパクトがあったのですが、今回絵師の米村さんは残念ながら描けなかったようです。

「エイリアン蒼血魔城」は、神隠し伝説のある村の旧家が隠し持っているお宝をめぐって、怪人・魔人と三つどもえの争奪戦をする話です。今回収録の2編は間には13年あって、この間にシリーズを終えるつもりで書いた「魔神国」があります。「蒼血魔城」はシリーズ再開の話で、書いている本人も楽しかったらしく、読んでいてノリのよい話になっています。

　さて、今までの合本についていた短編について、個人的には「？」なできでしたが、今回の「NYハッピー遁走曲」は面白い話でした。けれど外谷さんの活躍を読んでしまうと、「外谷さん無礼帳」も復刊されないかなぁと思ってしまいますな。ぶぅ。