CHAGEという作家をよく注視したら、これがするめのようにいい曲多いんだよな、と感じれる作品。もう迷わずとも買ったらいい。チャゲを掘り下げると、新しい発見や楽しみが生まれるから。
今作は、耳ざわりの良い曲ばかり集められたようだ。もっとサイケデリックで妖艶な曲を入れると一層チャゲらしかったと思うが、それでも、リバプール経由のPOPSセンスと日本的歌謡センスの両方を持つ彼の特徴を感じる。特にメロのラインは昨今のチャート曲よりいいものが感じられるだろう。

そして改めて気付くのはC&Aへの基本だった。チャゲの音はアグレッシヴでフットワークが軽快だ。C&A音楽が一所に固まらない自由さを彼が担っていることを実感する。アスカ以上に洋楽に早くから精通していた彼のアイディアが、C&Aに柔軟さを与えているのだと、今作から改めて思う。
更に思うのは、このいい曲達は、ファンのみのアイテムにすべきではないということ。ソロシンガーの顔をもっと促進させてもいいだろう。C&Aの新作が何年も出ていない今、歌手として真新しい色で世間へ知ってもらえるから。シンプルで耽美な楽曲の強さは、もっと認知されて然るべきだ。別に歌番組に出る必要はない。人々は今や多様な感受性を獲得し、パーソナルな価値観で音楽を求めるようになった。むしろＭステになど出ないほうがよいかも。リスナーの胸を強く捉える場所で、今作を多くの人に知ってもらいたい。

このアルバム収録の「終章（エピローグ）」はCHAGE&ASKAのアルバム「PRIDE」収録の原曲のリメイクバージョンです。あと「SOME DAY」はライブバージョンなのですが、私が思うにこのライブ版「SOME DAY」は原曲の「SOME DAY」を越えていると思います。ただこのアルバムの曲目を見て、MULCHI MAXの名曲「どうだい」が入っていないのがちょっと不満だったのですが、聞き終えてみると素晴らしい心地よさに満たされていて「なくても全然OKなアルバムだった」と思いました。しかしMULTI MAXのアルバム「OkiDoki!」収録の「どうだい」はかなりの名曲のため、こちらもお勧めです。またこのアルバムのタイトル「プロローグ」に続く、アルバム「CHAGE 2nd」もお勧めです。こちらはベストアルバムではなくオリジナルアルバムで、完全にCHAGEさん一人のソロアルバムですが、なかなか完成度が高く聴きごたえがあるアルバムです。

このアルバムは、何度聴いても聴き飽きないです。
本当に何度も聴いたのに、聴き逃していた部分がありました。
(人から教えてもらってやっと気がついたのですが)
このなかの「SOME DAY」は、ASKAの声が入った、C&Aのライブバージョンです。

しかし、なぜかこのCDの歌詞カードには、演奏者名が一切入っていないのです。

公式サイトにもボーカルの説明がないゾ。リリースの時に会報でちらっと触れてる程度。
ネタバレかもしれないですが、もう５年過ぎたから時効にしてください。

それよりアマゾン様、そういう価値あるアルバムですので、ぜひぜひ在庫を置いてくださいな。

欲しい人がたくさんいると思います。(^^)

「このベストアルバムは、CHAGE&ASKAやMULTI MAXを聴きつづけてくれた人たちや、ふとしたきっかけで僕の楽曲を耳に止めてくれた人たちが、望んでくれているであろうと思われる曲を収めてみたかったんです。そういう観点をもとに、スタッフが中心になって選曲をしました・・・(CHAGE)」～アルバムリリース時の解説文より抜粋～

シンガー＆ソングライターのCHAGE氏自身が自分の好きなものを選ぶ、というのとはまた違って、周りの人たちが選んだという選び方。本人も「意外なものが入っていたり、入ってよかったと思ったものもあり(上記解説文の続き)」と選曲されるのを楽しんだようです。
なかでも『告白』は『SAY YES』のカップリング曲で、アルバムには収録されていないにもかかわらず「好きだ」という人が多いことがわかり「入って嬉しかった」とのこと。

CHAGEバラードが大好きな私にとっても、このアルバムの内容は正真正銘ベスト！　聞きたい曲が全部入っているので、ドライブに旅行に通勤に(笑)、１枚持っていくならコレ、という必携CDになりました。