民事再生法という倒産企業の再生を促進するための新しい法律が、具体的に現実的にどのように活用されているのか、28の事例が示されている。実際に事案を担当した弁護士がそれぞれの事例を解説し問題点、改善点、それを乗り越えるための工夫が語られている。
各事例はコンパクトに要約されており読みやすい。法律の条文を長々と説明しただけのテキストよりはよほど法律の重みや重要性が伝わってくる。
ただ不満もある。もう少しページ数を増やしてもよかったのではないか。法的倒産手続きは一段落ついても、再生企業は事業を継続していく。はたして計画どおり進んでいるのか、計画を上回ったり下回ったりしていないか、計画実施後の現状についても述べ、今後の事例の参考・教訓になるような本にしてもよかったと思う。
そのような続編を是非編集していただければと思う。