スコットランド女王メアリ・スチュアートの娘(隠し子)が主人公というので読んでみました。主人公ケイトは、厳格な牧師に「おまえは罪深い、売女の娘だ、絶対人並みに幸せにはなれない」と決めつけられて育ちます。ある日突然、エリザベス女王の命令で、辺境の岩だらけの島クレイドーの領主ロバートと結婚することになります。牧師の手を離れ、ロバートによってはじめて「守られる」という安心感を味わったのもつかの間、彼は、これは一年間だけの契約だ、と言い放ちます・・・。
世間から隔離されて育てられたケイトは、はじめ危ういほど無防備でしたが、次第に一人前の女に成長して、自分の愛するものを守るため、敵と互角にわたりあうほどになっていきます。女王の娘の血はやはり争えないのでしょうか。
読んでいるうちにぐいぐいひきつけられて、特に後半は、ページをめくる手が止まらず、一気に読んでしまいました。実在の人物も登場するので歴史の好きな人には興味深いですが、もちろん、歴史を知らない人でも十分楽しめます。