復讐劇からはじまったが
★★★★★
ミストレスシリーズ最終巻
前二作は読んでいなかったがあらすじに惹かれて読んでみた
いきなりの復讐劇で幕開けし、今後の展開は?と思っていたら、大筋は定番のロマンス小説的ストーリーだった。
ひょんなことからであったヒーローとヒロイン。お互いに一目ぼれに近い状態。
ヒーローは幼い頃の母親の仕打ちがトラウマになっており、愛を信じない公認の独身主義。
ヒロインはヒーローの親友の姪で、親友からもお目付け役を頼まれている。
手を出してはいけないと分かっているが魅力的なヒロインに誘惑を抑えきれない。
一方ヒロインは自分の知らなかった父親の一面にショックを受けたが早々に立ち直り、伯父の元で新たな生活を始め、社交界にもデビューし楽しく過ごす日々。
大勢の紳士と出会ったが気になるのはヒーローただ一人。
ヒーローも遂に誘惑に負けヒロインに手を出してしまう。
一線を越えないように密会を重ねる二人。
ところが花火大会見物中に暴動に巻き込まれ、友人たちとはぐれてしまい、馬車も見つからない。二人きりでいるところを見られてはヒロインの貞節に係わるが、歩いてかえる途中、運悪くヒーローの元愛人が通りかかりあえなくお縄頂戴。
結婚し蜜月を過ごしていたが、「彼女を愛してはいない」というヒーローの言葉を漏れ聞いてしまったヒロイン...
本当によくある定番のストーリーだったが、その分気負わずに楽しく読めた。
ヒロイン、ヒーロー双方の切ない想いが伝わってきて、ラストは感動的。
事件や事故といった余計な演出がない分、ヒーローとヒロインのエピソードに終始しているのでスッキリしている。