数学に興味のある全ての人に薦めたい本
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序文で「(略)高校の数学を一応勉強した人ならば読めるような、しかも現代数学全般にわたって解説した、手軽な辞典類が欲しい。こういう考えから生まれたのが(略)」として本書を紹介しています。また、線形数学での説明が「大学生になって最初に学ぶ数学は、解析学の初歩と〜」という言葉から始まることから、大学で数学を高い関心をもって学ぼうとする高校生に、大学で学ぶことの予備知識を与えることも目的としている気軽に読めるテキスト(事典と書かれていますが・・)と思います。(1977年の出版ですので、今日の高等学校学習指導要領の後退については・・)
『数学の問題を解く』という面白さを見つけた学生(高校生に限らず)には現在でも一読をすすめたい本です。また、囲みの数学者に関する人物紹介は、箸置き的に気楽に読め、人物を通して数学を身近なものに感じさせてくれます。
なお、例えばゲーム理論の非協力ゲームに対するナッシュの理論に関する解説など、概説で具体的な内容には踏み込んでいないものがいくつもありますので、「本書を読んで理解できないと・・」といった気持ちを持つ必要は全くありません。
その人なりに楽しんで読まれれば・・、と思います。