孤児たちの幸せを願いました。
★★★★☆
孤児たちの里親をさがすために列車に乗って旅をするというのが昔、現実にあったというのがおどろきました。
しかし、考えてみると孤児たちの幸せを考えるとそれは合理的な方法なのだなと納得もしました。
複数の目的地に降りて、だんだんと里親が決まって、孤児たちの人数が少なくなっていき、心細くなるロジーナ。でも最後には自分の判断で自分の将来を決めるロジーナは、えらいなと思いました。
この本の中で一番好きなところは、途中で花嫁募集の広告を見て、あったことのない結婚相手に会いに行く女性と知り合いになり、その人が目的の駅で降りて相手の男性と会って手をつないで去っていくところです。
相手の男性の様子、その女性の心の動きが手に取るようにわかる丁寧な描写で、二人の幸せな未来が予感できて、何度も読み返しました。
そのほかにも興味深いエピソードがいろいろあって、当時の人達の過酷な生活がわかりました。