モータウン・レーベルが60年代から70年代にかけてやったことはあまりに多く、そのヒット曲(それに比較的知名度の低い名曲)をまとめた結果、実にCD4枚を要することになった。これは、100トラック以上にわたりシングル・ミックスを詰め込んだセットでもある。バレット・ストロングによる目的の提示「Money (That's What I Want)」で幕を開け、マーヴィン・ゲイによる懸念事項の提示「Mercy Mercy Me (The Ecology)」で終わる内容は、このレーベルが黄金時代からどんなに遠く隔たってしまったか――同じ2曲からまったく違う音がするようなものだ――ありありと語っている。かつてのモータウンは、ほかの会社にはなかなか真似のできない方法でなめらかな音と粗い音をブレンドすることができた。それによって、店まで行ってお金を払うだけの価値のみならず、心に訴えかけるものも備えたレコードをつくり出していたのである。(Rickey Wright, Amazon.com)