しかし、美術館の解説ラベルにも額縁の説明はほとんど書いてないし、額縁に関するガイドブックも見あたらないというのが実状でした。
ですから、せっかく興味をもった額縁も、いつのまにか記憶から消えてしまうというのが今まででした。
ところが、本屋さんの店頭で、《額縁と名画》というこの本に偶然出会って、まさに、こういう本が欲しかったのだと感動しました。
本書は、1300年代後半から20世紀初頭の印象派までの作品のカラー図版を多数盛り込み、額縁の主な様式や代表的な作例を簡潔に紹介しています。
初心者向きに、額縁の基本知識から始まり、
額縁と絵画の主従関係、 当時大流行の額縁、あっと驚く細工付き額縁、紳士服オーダーのような額縁、中古額縁人気のわけ、建築家がデザインした巨大額縁、画家によって決められた額縁、入れ替えられた額縁の秘密etc.です。
けっして浮ついた広く浅い知識ではなく、じっくりと本格的な知識が身に付く本です。
しかし、けっして難しい本ではなく、分かりやすく読みやすく、楽しく読み進めるうちに額縁の事がよ~~く分かる本です。
絵を勉強している人には必読。絵が好きなだけという人にもお薦め。
今まで絵はちょっと・・という人が思わず美術館に足を運びたくなる本です。
上野の西洋美術館で実物を見ながら確認すると楽しいと思う。