はじめてダイアナ・パーマーを読みました。この欄での評価も良かったし、講談社だし、とある程度期待していたのですが…。余りの稚拙さに、思わず出版年を確認してしまいました。筆運びが問題で、全く作文の域を出ていないのです。それとも翻訳の問題でしょうか？

裏表紙にのっているあらすじを読んで興味をもち購入したら、一途なヒロインの気持ちが
痛々しくて、はまり込んでしまいました。何度も読み返してしまってカバーがボロボロに
なってしまいました。
叔父が亡くなって住む所とか金銭的な事をかかえたクレアを、ちょうど自分が愛している人ととの
スキャンダルに巻き込まれている最中のジョンがお互いの為にと便宜結婚を申し出て結婚するの
ですが、そのスキャンダルはすでに結婚しているかつての恋人ダイアンをまだジョンが愛していて
彼女との逢瀬を重ねている事が原因で、その上、クレアとの結婚式の当日ダイアンはジョンが
結婚しないように引き止めるのですが、クレアと結婚してしまいものすごく後悔をして、クレア
に愛してるのはダイアンだけとクレアに言っちゃいます。
でもクレアは本当にジョンを愛していて自分の気持ちを彼に捧げるのですが･･･

ジョンを張り倒してダイアンの首を締めたくなるぐらいクレアが可哀想ではらはらドキドキしながら
読みました。ホントにお勧めですよ！！

とにかくヒーローの心境の変化が読んでいてすごく面白かったです。
ヒーローは最初本当に元婚約者を愛していて、ヒロインのことは保護者のような感覚しかもっていません。しかしヒロインのヒーローに対する一途な想いがやがて彼を徐々に振り向かせていくのです！そしてついにヒーローがヒロインを愛していると自覚するのですが、ヒロインはいまだに彼が元婚約者を愛していると誤解しているのですれ違いを繰り返しています。このへんのやきもきした感じが私はすごく好きです。最後に「いいもの読んだなー。」と思わせてくれる本でした。

読んでいる間、涙が止まりませんでした。
ヒロインの健気さがなんともいえない味をだしている作品だと思います。
ヒーローが好きだった人の真実の姿に気づいて目が覚めるまでのもどかしさは、なんともいえません。
ダイアナらしい作品だと思います。

ダイアナのヒストリカルが講談社から出るなんて、うれしい限りです。
三角関係の微妙な心理描写、その中で成長していく、けなげなヒロイン。
人妻を愛しながらも、だんだんヒロインに傾いていくヒーロー。
最後は、スリリングな追っかけシーンまで・・・
久しぶりに、息をも殺して読み進めてしまいました。
今後もランダムハウス講談社から姉妹編が出るようです。
とても楽しみにしています。