他のまさお三月作品と比べると、僅かにがっかり。
短編なのもあるけれど、内容的にも完全感が少ないというか、物足りなさがあるというか・・・。

一応ノンケの慶太が男同士のあれこれを覚えた近所の魔性のゲイ、修二。
修二は慶太を好きだが、慶太の行く末を考えてスパッと切り離す。
修二の諦めようとする切ない気持ちをいつ慶太が気付くか、そこがメイン。
まあ、悪くない。けれどすっごくおススメって作品でもないかな。

逆に抱き合わせで収録されていた「恋の証拠」の方が切なくて可愛くておススメさせて頂きます。
周りに誤解されているゲイの鈴野と同室になった川宮。
鈴野の事が可愛くてたまらないけれど、同時に昔鈴野と同室で転校していった噂の男のことが気になってしょうがない。
だが実は鈴野もそうやって気にする川宮のことが気になっていた。
すれ違い青春ラブの典型ですが、なんとも愛らしいお話でした。

書き下ろしでおまけ番外編「彼氏のお部屋」ってのが入っているんですが、これがめちゃうけ。
各お話のＣＰの半分コメディタッチショートショート。

わりとあっさりめの絵柄。加えて話の設定はよくある感じ。突拍子もない展開じゃないし、ものすごくエロ!ってわけでもない。
なのに、一定期間をおいて繰り返し読んじゃうんですよね、まさお三月さんの作品って。夏目イサクさんのも同じ感じ。
テンポよく独特の間があって「クスッ」と笑うギャグがあって、キャラが「そこはかとなく」エロい。
今作は短編4つ。相手が好きなのに中々素直になれず、自己完結したり・泣いたり・殴ったり(笑)・隠したり……する、可愛い受けばっかりです。
それぞれの書き下ろし短編が巻末にあって、またこれが笑えます。

コチラ、やはりまさおさん印の良質なツンデレ揃いでした！

どこにでもありそうで意外とない…いや展開は結構読めてしまうようなオーソドックスでわかりやすい４カップルの恋模様。登場人物たちがとにかく不器用で、うまくいきそうな恋でも自ら遠回りさせてしまうような…そんな不器用さに萌えてしまいました。すっごく面白い！とは言えないかもしれませんが、随所に隠されてる小ネタに笑わされて、不思議と何度も読みたくなって読めば読むほどじんわりと萌えが迫ってくるような作品です。そして、やはり絵がキレイで読みやすいですね（大好き）。

幼馴染み・ビッチなリーマン×真面目ドーテイ高校生
Ｗツンデレ（否、天然？）、生徒会長×ちょい問題児な水泳部部長
呑み屋店員（ゲイ）×酒癖の悪いリーマン（ちょい暴君）
高校生ツンデレ×溺愛ワンコ

表題作のビッチな兄さんのままならない切ない想いに萌えました。不実ってほど不実でもない気がしましたが、好きすぎて自爆する不器用さが可愛くて愛しくて…本当に愛すべきヒトでした。他も、皆恋に不器用で全力で遠回りして迷走しまくるヒトたちばかり。本当に可愛い。

書き下ろしの各カップルの後日談「彼氏のお部屋」もほんわかほのぼの。何だかんだでバカップル。オールハピエンめでたしめでたしです☆