非の打ち所のないテクニックをもつジュリアン・レイジのアコースティック色の強いパフォーマンス。
ほとんどのトラックがドラムレスだが、それを感じさせない非常に安定した演奏となっている。
また演奏の多くの部分がおそらく予め用意された譜面によるもので、スポンティニアスな要素は比較的少ないと思われるが、ギターミュージックとしては完成度が高く、全編を通して清澄な雰囲気を持っている。
ノーマルな４ビートジャズないしフュージョン的な内容を期待すると裏切られるが、新しいジャズギタリズムを追い求めているリスナーにとっては、興味深く傾聴するに値する作品に仕上がっている。

一曲目の最初の一音でまず耳を疑った。
あまりにも成熟した音色。
しかしジャケットを見ると写っているのはタンジェリンカラーのギターを大事そうに抱える青年。
音色と年齢のギャップがありすぎる。
アルバム全体を通して音楽性もとても熟している。
若々しさという言葉は彼にはもう必要ないのだろう。
音楽家としてあまりにも早熟だ。
僕には彼がジム・ホールのような年になったときの音は想像できない。
なにより自分もｼﾞｬｽﾞギターを嗜みJulianと同い年であるが、彼の才能には嫉妬しかできない。

今後はもう少し聴きやすい作品をリリースしてくれるとうれしい。
使用しているｷﾞﾀｰはパットメセニーが使用していることでも有名なLindaManzer女史によるBluenoteというモデル。
完璧なテクニックと素晴らしい音色のギターを堪能することはできるが、聴き手を選ぶ作品である。

ゲイリー・バートンに12歳で見出され、パット・メセニーの再来、バークリー音楽院卒、
ジャズの未来を担う天才ギタリスト、云々。日本でも横並び絶賛情報満載。
俺にはクラッシックギタリストがプログレッシヴに挑戦しました的
練習用音楽にしか聴こえぬ。
迫力に欠ける、ひ弱、心を揺さぶる響きが伝わってこない。
音楽の深さを理解しきれない初心者リスナー向き。
プロのギターミュージックとしては完成度が明らかな低い。
天才ギタリスト・・・・・・と言われてもね?

譜面をどうアウトプットすればリスナーを唸らすことができるかだ。
力不足は否めないでしょ　!
手にするのはManzer Guitarでしょうか? 高価なんでしょうネ!!