引越しをしたくなる、不思議。
★★★★★
辛酸なめこさんといえば、テレビでさらりと吐く毒舌が強く印象に残っていますが、
本書でも如何なくその「なめこ節」(と言っても良いのでしょうか)、発揮されております。
女一人のマンション生活4年間、職業柄仕方ないかもしれませんが、
生活空間を日々侵食していく本や資料や●●や××に奪われていく著者・・・
「掃除は、明日・・・」―わかります、その気持ち!!
そんな辛酸なめこさんが一目惚れしたモデルルームに
幾多の困難を乗り越え引越しをし、女として、人間として起死回生の一発を決める!(・・・の、か?)
そう、これはエッセイでありながら
血と涙と汗の一大ドキュメンタリーなのであります。
頁の端々に滲み出る皮肉と本音に思わずにやりとしてしまうのは間違いなし、
こんなに引越しというイベントに対して後ろ向きなのに
読んでいるとなぜかこっちが引越しをしたくなる不思議。
さらにさらに、
どんなに軽く見積もっても汚部屋としか言いようのない引越し前の部屋、
引越し前の部屋を占拠するメアリー、ニック、ブライアン、
(なんだと思ったら読んでみてください)
本のあまりの重さにひしゃげたワゴン、
本業の締切りと片付けに忙殺された著者の生気のない御顔、
・・・等々、本書はびっくり写真館とも言うべき衝撃映像集としても
十分楽しめることうけあいです。
なぜか引越しがしたくなる不思議。
★★★★★
辛酸なめこさんといえばテレビに出演された際のさらっと吐く毒の鋭さが
印象強く残っていますが、本書でもそのなめこ節(といって良いのでしょうか)
が如何なく発揮されております。
一人暮らししていたマンションが職業柄増殖していく本たちに埋め尽くされ、
新しいマンションに引越し家具を買い揃え・・・
とまさに片付けられない女を卒業するまでの汗と血と涙の結晶、
一大ドキュメンタリーエッセイであります。
引越し前の、失礼ですがどんなに良く見積もっても汚部屋としか言いようのない部屋、
部屋を占拠するメアリー、ニック、ブライアンが醸し出すなんとも言えない息苦しさ、
(なんだろう、と思った方は読んでみてください。)
仕事と平行しての引越し準備や片付けに忙殺された生気のない御顔、
・・・等々、本書はエッセイであると同時にびっくり写真館とも言うべき衝撃映像の
宝庫でもあります。
引越しの最初から最後まで貫かれたローテンション、何処までも漂う悲壮感、
気の毒だと思うのに笑いが止まりません。
引越しという一大イベントに何処までもネガティブに突き進む
(ネガティブすぎて最後はポジティブに反転してしまう)
辛酸なめこさんの姿に拍手。
人間引越しで本当に変われるのです。
こんなに変われるのであれば引越しってやってみてもいいかもしれない。
そんな風に思えます!
マニュアル本というより、警告本?
★★★☆☆
タイトルにひかれて手にした方は、いかに片付けられない状況から脱皮できるかに
興味があると思うのです。ですが、いわゆる片づけマニュアル本として、実践的な
ノウハウを期待して読んでしまうと、ちょっと違うなという印象。
個性も強く、好き嫌いもはっきりわかれるような気がします。ただ、不動産と人の
選び方を比較しているところは、けっこうおもしろく、なるほどって感じです。
ラップ音=オナラというのには、大笑いしてしまいました。
片付けられない女から買い物依存症へ
★★★☆☆
いくら新しくて綺麗な部屋だからって、そんなに家具を買い込んで大丈夫なのでしょうか? 他人ごとながら、心配になってしまいます。極端から極端へ走るなめ子嬢が、カード地獄に陥らないといいけれど…。読者にそう思わせるのも、テクニックなのかも知れません。
住環境を見直すことの重要性を文字だけでなく、イラストと写真でも示したところに説得力があります。部屋が美しくお洒落になるにつれ、ご本人の表情も生き生きして来るように見えるのは気のせい?
片付け本史上最大の荒技!
★★★★☆
本書は2006年春、著者が片付けられない女を返上する為に、
何と引っ越してしまった事を綴った、片付け本の異端児です。
残念ながら、直前に片付け本で大ヒット作が出てしまった上、
マニュアルとして使える部分も少ないので、本来なら、星2〜3個と言ったところです。
しかし、「ゴミ屋敷は百害あって一利なし」である事を、本書で再確認させられます。
そして何より久々に『辛酸節』大炸裂で、的を得たイラストや写真等と共に、
大いに笑わせてくれます。
特に著者のファンには、最新刊として大いにおススメできる作品です。