ああ、坂上香織さま あなたの下僕に
★★★★☆
坂上香織様 あなたの美しさに参りました。わたくしをぜひ下僕としてお使いください。一生懸命、あなた様を満足のいくように縛り上げ、吊るし上げ、股間を思いっきりいたぶって差し上げたく存じます。それはともかく、大東亜戦争惨敗の、とある色街。戦争でズタボロ状態になっている男は、戦中は従軍ライターとして戦地で傷痍軍人たちを取材していたのだった。その取材で出会った兵隊さんに聞いた、天女のような心身ともに高貴で美しい「奥様」にこの街で直に会うことになり、やはり心酔し、身も心も捧げる味方となる。彼女は亭主の後始末に娘とともに陵辱されることになる。その窮地に、敗戦の痛手により信じられるものの一切を喪失したはずの男が立ち上がるのだ。エロはすごいのだ。
坂上香織の方が杉本彩より団鬼六作品に相応しいが…
★★☆☆☆
敗戦とともに没落してしまった資産家の夫人(坂上香織)が、ヤクザたちに捕らえられ、彼らの前で全裸になるまでのストーリー展開はほぼ原作通りで、その雰囲気も損なわれていない。しかし、肝心のその後がいただけない。坂上香織はヘアを露にしたまま水平吊りにされるなど、ハードなシーンをこなしているにも関わらず、娘役の永瀬光とともに、全裸後ろ手胸縄縛りのまま監禁され調教されると言う団鬼六の王道パターンが出てこないのである。原作では足袋に至るまで彼女のものは闇市で売り払われてしまうのだが、本作では着衣での緊縛がほとんどである。緊縛美のクライマックスとでも言うべきところでは、赤褌を纏った上に両腕の自由が奪われていないなど、制作者サイドが団鬼六の嗜虐美と言うものを理解していないとしか思えないシーンが多すぎる。パンツや褌を外さなければ出来ないことを着けたままでやっているなど、不自然な部分も多い。坂上香織がこの作品に相応しい雰囲気を醸し出していただけに、非常に残念である。