ミッドウェイ海戦と詩
★★★★☆
物語の前の方の部分で、ミッドウェイ海戦の様子が、生々しく描かれる。
この闘いの当事者のうち数人が、戦後に数々の人間模様を繰り広げる。
その中には、アメリカ兵のパイロットも含まれている。
事件の根幹は、この海戦の当事者間の、複雑な関係から成り立っている。
本書では、こんな形での幕引きが行われるとは、とても思わなかった。
この作品では、太平洋戦争の陰の部分が色濃いのに加えて、詩の香りが目立つ。
戦争という過酷な現実と、詩の甘美な響きとの対比が面白い。
本書はスケールが大きく、男のロマンを強く感じさせられる。