いつもながらの喜多郎サウンド、だが・・・
★★★☆☆
「空海の旅4」では、霊場八十八箇所のうちの『修行の道場』にあたる高知県内の諸寺を巡る部分が終わる。
インナーリーフの解説(喜多郎との対話形式)によると、本アルバムで喜多郎は、空海の「心」を音で描写する事に主眼を置いたとある。
7〜8分前後と充実した長さの曲が多いのは嬉しい。
しかし、これまでのアルバム(空海の旅シリーズ以外も含めて)で聴かれたようなサウンドのダイナミックな展開については、かなり抑えられたものになっている。
その為、全曲にわたって、インスピレーションやイマジネーションに溢れた曲とは感じるものの、正直に言うと、聴き通していて退屈感を拭えなかった。
私は、1980年からの大の喜多郎ファンで、本アルバムについては辛口の評価になった。
本アルバムは、喜多郎ファンとして、あるいは空海の旅シリーズを揃える上では欠かせないものであるが、“喜多郎のアルバムを持っていない人が試しに1枚買う”という場合にはお薦めしない。
本アルバムでは、「新しい音」もいくつか加わったが、このところのアルバムで多用されている“低い吐息のような音”が目立ち(3曲目と6曲目)、それにはちょっと辟易している。
「空海の旅5」からは、いよいよ『菩提の道場』とよばれる愛媛県内の諸寺を巡る。
喜多郎サウンドの新たな展開を期待したい。