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英文翻訳術 (ちくま学芸文庫)

価格: ¥924
カテゴリ: 文庫
ブランド: 筑摩書房
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体操競技に「技術点(technical merit)」と「芸術点(artistic impression)」があるように、翻訳という仕事にも、パターン化された「技術項目」と、それを土台に磨き上げる高度な「芸術性」があるようだ。
本書は、シェイクスピア研究の第一人者であり、達意の翻訳家として知られる著者が、「技術項目」に限って解説を施した翻訳学習の名著だ。本書で著者が採用した方法は、学習英文法の枠組みに沿って英文を分解し、分解してできた項目ごとに、訳文作成のルールを提示していくという画期的なもの。全部で44のセクションに分かれた、システマチックで学習性に富んだそのノウハウは、「翻訳英文法」という呼称で、翻訳学習者の間ではつとに評価が高い。
この方法の信頼性の高さについては、多くの関連書の存在(『翻訳英文法徹底マスター』、『翻訳英文法トレーニングマニュアル』―― いずれもバベル・プレス刊など)や、これに言及するプロ翻訳家が多いことからも容易に推察できるが、定評を得た一番の理由は、やはり「英文法」という枠に注目したアイデアの斬新さに尽きる。つまり、本書には学校英語に慣れた者に、「翻訳」へ興味をかき立てる、啓蒙書としての側面もあるということだ。
この魅力は「マニュアルの向うのあるもの」と題された<あとがき>の中で存分に発揮されている。公式による技術の後に何が来るか。とくと味わってみてほしい。(玉川達哉)
英文を正しく読むための本 ★★★★★
私は以前から、英語を正確に読み取りたいと強く願っていました。今もそうなりたいと努力を続けています。読んでいる英文の内容が、これしかないという形で正確に読み取れているのか自信がありませんでした。それで、そのような英語の読み方を教えてくれる本はないのか、長い間探していました。その結果、古谷専三先生、伊藤和夫先生、薬袋善郎先生の本を見つけることができました。
上記の先生の本を繰り返し読んで勉強した後、安西徹男先生の本も読ませて頂き、大変参考になるところが多くありました。読んで本当によかったと感じられる本でした。
以前より幾分かは正確に英語を読めるようになったと感じています。
読んで分りやすい自然な日本語の翻訳文を書く技法 ★★★★★
英文を和文へ翻訳する技術を詳しく述べた本です。翻訳は試験問題の和訳と異なります。試験では原文をどれだけ理解したかが問われます。読者(採点者)は原文を読んでいます。翻訳の場合、読者の興味は翻訳者の理解力でなく、原著者が何を言っているかです。原文は読んでいません。

この本が述べている翻訳の原則は
1.(なるべく)原文と同じ語順で訳す
2.(必要に応じて)名詞を動詞に、形容詞を副詞になど、違う品詞を用いる
3.(必要に応じて)単語を句に分解、句を単語に圧縮する
などです。なぜそうするかの理由も詳しく説明しています。

ある程度翻訳を経験した方なら、どれも無意識のうちにやっていることかもしれません。私自身もそうです。原文の語順を守って訳せば読む人が理解しやすいし、名詞よりも動詞を使うほうが、あるいは単語を句に分解するほうが日本語らしい表現になります。

ですが、この本のような理論的な根拠があれば、今後も自信を持って使えますし、今までとは違う方面へ応用もできます。特に「圧縮」は、すっきりして読みやすくなるとは分りながらも、どこか後ろめたくも感じていました。また、「生成変形文法」という考え方をこの本で初めて知りました。

以上の原則を説明した上で、関係代名詞、副詞、各種時制、受動態など、個々の場合に分けて、どうすれば日本語らしく訳せるかを、豊富な例題を挙げて説明しています。著者の生徒の翻訳の添削例もあります。翻訳に限らず、技術は実際に手を動かさないと身に付きません。

この本は英文和訳しか扱っていませんが、他の言語の翻訳にも参考になるはずです。これから翻訳を行なおうと考えている方、既に翻訳の仕事をされている方に強くお勧めしたいと思います。翻訳関係の本はたくさんありますが、この本のように本当に役に立つものは意外と少ないと感じます。
☆五つ! 英語を読みやすい日本語にするにはどうしたらいいか ★★★★★
私は先に同じ安西先生の「英語の発想」(日→英)の方を読みましたが、こちらはそのベースになった英→日翻訳の際のヒントを規則化した本のようです。

まず大前提は「頭から訳す」ということで、これは話者のイメージに沿う、および英語は大事なことから喋っていくということに合致し、同時通訳やサイトラにも通じることだと思います。

そしてオリジナルの英語を「読みほどく」・「読みかえる」という過程を、これまで熟練の技とされていたことを、文法項目に沿って定形化・規則化し、実例とともに説明して頂いているところが、非常に素晴らしいと思います。

読みながら、英→日の同通は出来ても、日→英の同通は、語尾を待たなければいけないので、何倍も難しいのでは?と思いました。
モチベーションが上がった ★★★★★
私は産業翻訳者です。20年近く社内翻訳をした結果、翻訳への意欲がなくなってきて、困ってました。この本を読んだおかげで、やる気が沸いてきました。

翻訳の例文が素晴らしい。自分の目標を高く設定することができそうです。

翻訳者が悩みがちなポイントもちゃんとカバーしてあって、役立ちました。

ただ本書は小説など文学の翻訳を中心で、産業翻訳の場合、時間の制約が厳しいため、本書の内容を全面的には反映できません。それでも読んでプラスになったと思います。
さすが!あとで何度も使える良書 ★★★★★
フリーランスで翻訳を最近、始めましたが、筆者の意図にそった意訳をどのように
したらいよいか悩んでいました。この本は「英語」という音符をどのように「日本
語」という楽器を使って演奏し、英語を読んだときと同じ感覚で日本語読者に伝え
ることができるかを教えてくれます。

学校の英文法を否定することなく、それを理解したうえで、どのようにこなれた
日本語に訳していくかというヒントが具体例をとおして示されている優れものです。
目次には所有格、無生物主語、人称代名詞などと記されていて文法書のようです
が実際に翻訳するときに参考になります。自分では辞書と同じように使ってみよう
と思っています。この本は1995年に第一刷発行ですが、わたしが手にしている本
は2007年8月10日、第15刷です。人気があるのもうなずけます。買ってよかった。