主人公永見子をめぐる、恋人、友人、家族、…
仲良く見えてもろい糸でつながっているかの様な人間関係。
描写が細かく、それぞれの感情がよく分かり、読んでいてハラハラします。
若い時って、危険な匂いのする人に惹かれたり、
優しくされたら心揺らいだり、
後悔してそれでも追ってみたり…
そんな情熱的な感情、思い出させてくれる１冊です。
私には宝物です。

　いまどきの若者はこういう感覚なんでしょうね。オシャレでかっこよくて、どこか寂しい。自分には決して入り込めない世界です。
　

いくえみ綾の作品にしては、パンチが足りない、平凡、というのが正直な感想です。いくえみ綾は、その平凡な日常の中の面白さ、せつなさを描かせたらピカイチだと思っているので、この作品は残念。
奔放なようで、実に現実的でまともな感覚を持っているのがいくえみ綾作品の魅力なので、恋愛観までもあまりに特徴がなくて、どうしてしまったんだろうと思いました。

ファンならば押さえておけばいいかな？という感じなので、これから入門の方ならば別の作品から入る事をオススメしたいです。