私は本当にお父様の子供なの?
★★★★★
結核をわずらい学園を去って、サナトリウムにいくことになった白雪先生。
上野駅に走るありあ、白雪を愛していると完全に気がついたありあと彼との悲しい別れ。
彼は手紙でありあの手の怪我のことをつげる。ピアノが完全にひけなくなる日がくるかもしれない。絶望にはしりかけるありあ。
しかし彼女を救ったのはしらゆきが作った一つの曲。それはオペラトスカのうちの一つ、恋人トスカを残して、明日処刑されようとしている男の、トスカを思う歌。
絶望の中トスカを愛す、その歌を聴いたありあはピアノをひきつづけることを誓う。
そんな中、暴漢から自分を救ったのが兄の夏生だと知る。
兄の婚約者から「貴方は本当にお父様の子なのですか?」と侮辱をうけたありあ。
しかし彼女にも身におぼえがあった。兄とは完全に思えない夏生、そして芸妓であった母。
母に疑問をぶつけると「貴方は命がけの恋をしたことがあって?」という母の答えと、そして涙がかえってくる。
そして…運命の日、関東大震災がやってくる。白雪にあうために軽井沢へといくはずだったありあは、震災にあった母を救うために?
絶望の中、前をむいてひたむきに歩いていくありあが印象的な巻でした。