デザイナーVS職人 一読の価値あり!
★★★★★
展覧会をたまたま見たので本もおもしろく読めた。真摯にデザイナーは職人と対峙しているところに好感は持てた。とくに、デザイナーがデザインした工芸?作品に対して、実際つくった職人さんがコメントがいい。製品化するには時間かかりすぎる!とか1点ものでした作れない!とか、素地の素材選択がダメ!みたいなザックバランに語ったことが書かれているのは、地場の工芸や技術にエッセンスを入れたくて、これからデザイナーに何か頼んでみようか。。。と考えている方々にも参考になるだろう。
この本はビジュアルのほうが多いくらいの本である。それも、デザイナーがつくったデザインした?作品群は、奇をてらい、手入れしずらそうで、過剰な感じ。そして高価すぎ!(いかにも、奇デザイナーズ?)だからこそ、対比されて掲載されている本当の工芸品の素晴らしさは、キワダツ。圧倒的買いたい!と思った。デザイナーの美意識ある、目利きがすばらしいので、工芸品の中でも特によいものが載っているのかもしれないが...伝統工芸を本当に考え、売れるようにする為だったら、デザイナーの役割は、消費者へ目利きしてあげることなのかもしれないと思った。「デザインする」のは、地場産業や伝統工芸にとっては大きなお世話のように思える。使ったことはないが、見る限りでは本当に飛騨春慶塗りは素敵だ。多分、今迄売れなかった理由は、世の中に知られていないから。。というほうが多くて広報の仕方や販売ルートで人気が出るのではないかと感じる。実際、岐阜県は東京から行くのに地図上では近いように思えるが、山が険しく、電車でも自動車でもやたら遠い。北海道や九州、沖縄へ行くほうが時間的な感覚では近い。そういう秘境なのである。だから洗練されている匠がいるのかもしれない。それにしてもデザインの本であるのに、他には無いウンチク臭くなく、リアルな感じがおもしろい!