語りかけるケインズ
★★★★★
1922年ごろ、自由党の集会で演説するケインズ。
財政で削減できる分野は、きわめて限られている。
国債費や年金は名誉にかかわる支出であって、削減は難しい。
おおどころでは、軍事関係。
メソポタミアからの断固たる撤退、
自治領への防衛費分担要求など。
ケインズが財政面から大英帝国の性格に言及している。
銀行研修所での講義。
ドイツのインフレを例にとって、貨幣数量説にのっとって話す。
ケインズはドイツ政府の顧問も引き受けており、
まさにドイツから帰ってすぐの講義らしい。
ドイツの問題は貨幣の量Mの増加だけでなく、
貨幣への信任が失われたことで、手持ち貨幣を減らそうとして
k(マーシャルの)が小さくなったため。
だからMを減らすだけでは、問題は解決しない。
理論と現実を行ったり来たりしながら、
しかもわかりやすく語りかける。
これがケインズなのか・・・。すごいなあ。