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欲しいのは、あなただけ (新潮文庫)

価格: ¥380
カテゴリ: 文庫
ブランド: 新潮社
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自由を与えてくれる小説 ★★★★☆
まずは、「パイロットフィッシュ」「アジアンタムブルー」の著者、
大崎善生氏の解説を抜粋されたい。


読む側の空想の空をどこまでも広げてくれる、物語の中に入り込み考える
自由を与えてくれる、そしてわたしたちはコンテナのように小説という広
大な海の中に浮かんでいればよい。


小手鞠るい氏のことを、自由を与えてくれる作家、だと賞賛している。
考える余地を、そっと、置いてくれているのだと喩えている。


恋愛小説なのに、恋愛小説のような感じがしない。
そもそも、恋愛とは何なのか。評者はわからない。
燃え滾る欲望を持つことなのか、
何かも捨ててしまっていい気持ちになることか・・・。


ある場面で、かもめが思い馳せているように、
好きな人の一部でありたい、全部でありたい、
そう思うことが恋愛なのかもしれない。


恋愛=恋に愛するのか、愛に恋するのか。愛+恋なのか。
わからないが、恋に恋すると、若かりし頃の恋愛(純愛)が
そのように喩えられ、昔話のひとつとして語られる場面に遭遇する。




好きな人の一部でありたいと思う気持ちは、
恋に恋している瞬間感じると評者は思う。

何も周りは見えていないのだ。
いや、見えている。あなたとわたしの世界は。


≪以下、抜粋≫
・むかしむかし、好きになった人たちを思い出すとき、 わたしはいつも、弟のことを思うような優しい気持ちになる。

・わたしが怖かったのは、それは、自由、ということだった。

・闇のなかでわたしを待っている黄色い車を見つける瞬間が、わたしは好きだった。

・「おう、きょうはかもめちゃんとデイトや」

・どうしても、その小包を開封する気力が湧いてこなかった。 開封して本を取り出す、ページをめくる、そこに書かれている言葉を読む、 読んで何かを考える、何かを感じる、何かを思う、そういった行為のすべてが、 わたしにはけだるく、空しく、鬱陶しいことのように思えていた。

・あのころの自分と、今ここにいる自分を、うまく結び付けることができない、と、私は思った。

・わたしの心のお葬式。これはわたしが男らしい人から愛されるために、どうしても必要な儀式なのだ、と。

・わたしたちはふたりとも無言だった。けれどもその無言は生きていた。運転手と助手席のあいだで、 言葉にならないくらいたくさんの言葉がゆき交っていた。男らしい人は何かを必死で伝えたがっていたし、 わたしも必死でそれに答えたがっていた。

・あなたの一部でありたい、同時に、全部でありたい。あなたの触れるすべてのものに、わたしはなりたい。

・あなたが身体で、わたしが心。あなたが海なら、わたしは潮騒。あなたが空なら、わたしは夕焼け。 あなたが問いで、わたしが答え。愛することしかできない。それがわたしの答えなのだ。

・四条から山科に戻るとき、タクシーで蹴上の坂を登りますやろ。あの坂を登るときには、うちは母親になるんです。 そうして翌日の夕方、店に出るためにあの坂を下りてきますやろ。そのときにはうちは、女になるんです。」

・「もう行かなきゃ、遅れてしまう」と、言うのはいつもわたしのほうだった。

・「幹彦さんにとっては突然でも、わたしにとっては突然じゃないの」

・この世の中には、すべてを手に入れてもなお不幸な人間がいるように、 すべてを失ってもなお、幸福でいられる人間もいるのだと思った。
これは恋愛論だと思う ★★★★★
最低の恋愛、最悪の恋愛である。
読んでいると狂おしい気持ちになって、小説のことなのにこぶしを握りしめ、歯を食いしばって、なんといったらいいのだろうか、地団駄を踏むだろうか、そういう思いにかられる。
こういう恋愛だけはしてはいけない。
こんな人に惹かれていけない、こんなふうに自分をおとめてはいけない。
それはちがうんだよ、誰が見たってわかる、語り手の貴女だってわかってるじゃないの?
なんでこんな小説を書くのよ。
愛はもっと純粋で美しいもの、そうであるはず、そうでなければいけない。

この小説は(こんなにも狂おしい内容であるにもかかわらず)、自分の恋愛観を冷静に分析するための「恋愛論」だと思う。
全体としては否定するしかない、男らしい人との恋愛、優しい人との恋愛ではあるが、読み手の痛いところを突いてくる、小手毬るいの筆力に圧倒された。
切ない恋愛中の方におすすめ ★★★★☆
主人公かもめが体験した激しい2編の物語-。
前半出てくる「たくましい人」との恋愛に激しくて切ないものがあり
京都弁での会話のやり取りは、私にはとても新鮮でした。

盲目的に突き進む一方、自ら招いた破滅が待っている、、。
その後、「たくましい人」とはなぜダメになっちゃったか知りたかったです。
今、切ない恋愛中の方におすすめ!といった感じの作品。
誰でももつ”おんな”の部分を見せつけられる本 ★★★★☆
ずーっと一緒にいたい、くっついていたい。仕事にも行かないで、ひとりで待っていると気が狂いそう。きっと誰でも持っているそんな”おんな”な部分が、ストレートに表現されている作品。ちょっと怖さも感じるくらいだけど、人を本当に好きになる独占したくなるの究極は、こういうことだと思う。
てか、エ〜?! ★★☆☆☆
男らしい人の章、性愛にのめり込んでいく女ゴコロの妙がこれまでかって程に上手く描写されていたのに、煙草〜半殺しのエピソードで正直ガックシです。