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浮世絵ギャラリー〈4〉写楽の意気 (浮世絵ギャラリー (4))

価格: ¥2,520
カテゴリ: 大型本
ブランド: 小学館
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美しい印刷と見開きで見やすく大首絵を対比した掲載は、好ましい編集でした ★★★★★
千葉市美術館学芸課長の浅野秀剛氏の解説は詳しく、編集も見事でした。
東洲斎写楽の作品の中で、28枚を数える第1期の大判錦絵の雲母摺による役者の半身像は、日本だけでなく欧米でも高い評価を受けており、浮世絵の代表作とも言われています。
本書では、そんな写楽の大首絵を演目毎に関係ある役者を並べ、見開きで拡大して掲載しており、細部までその趣向が理解できるようになっています。それにしても大首絵は迫力ありますね。目は力強く、口の描き方や鼻にも特徴があり、手や指にいたっては書き損じのような印象を受けますが、そのデフォルメされた様式美が江戸時代にはとても珍しかったのも事実でしょう。

実際、写楽の活動した時期は、寛政6・7年の約10ヶ月の間だと言われています。その間、約150枚の歌舞伎の役者絵等を描いて消えたのがとてもミステリアスですし、短い活動期間でかくも印象的な作風を世に問うたわけですから、それは人気を博したことでしょう。

「粋な豊国、野暮な写楽」の項目でも明らかなように、他の絵師と比較すれば、その個性的な描き方は頭抜けています。確かに女形を見た通りに描く写楽は野暮かもしれません。役者から不興をかったようですが、一方でその特異な画風が洋の東西を問わず圧倒的に支持された理由でしょうね。その斬新で強烈な個性は現代人にとってもポップアートのような感じを受け、親しみやすい画風が構築されていました。

本書でも、斎藤月岑の『増補浮世絵類考』を元にした近年の通説(定説でもありましょうが)に従って、阿波藩の能役者・斎藤十郎兵衛が写楽だとしています。版元の蔦屋重三郎との関係がよく分かりませんが、少しずつミステリアスな部分は解明されていっています。