コッホがお好きな方へ
★★★★★
カラヤンが絶頂期にあった1970年代にベルリン・フィルの首席だったのがコッホ。カラヤンのもとでモーツァルトとR.シュトラウスのオーボエ協奏曲というどちらも素晴らしい演奏をのこしているが、どうしたものかどちらも国内盤では落ちてしまっている(モーツァルトは外盤で買えるし、シュトラウスの方は「Masters of the oboe」で検索すれば収録されたディスクをもとめることができる)。
ここでのコッホはおおむねドイツ系の曲を吹いており、録音年代も1970年代なかばの盛りだから悪かろうはずもない。彼の音色の特徴は情に溺れることのない、芯のしっかりした「歌」にあって、そのあたりがお好きな方にはまことに嬉しいディスクである。たとえばラインナップの傾向としては珍しく吹いているマルチェッロのオーボエ協奏曲にしても、なよなよしたところのまったくないしっかりした歌になっていて、わたしは好きである。